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ambiente2020 04

新設「ホレカ」ゾーンからたくさんの学び

2020.03.03 キッチンジャーナリスト 本間美紀

●「スマートセラミック」って?

スマートセラミックを発表したのはドイツのモダン食器の代表ブランドと言えるカーラ社。底面を見るとワイファイ対応のマークがついています。なぜ?どうして?

私もまだ詳しい仕組みは読み解けていないのですが、カップを「デジタルでパーソナル化」することで、よりカップは個人の持ち物となり、さらに企業とユーザーのコミュニケーションの役割を果たすという未来が描かれています。

、専用のアプリとカップを連動させ、クーポン券の配布や新メニューの提案、コーヒーなど好みのオーダーの記録、チャージして支払いに使ったり、プレゼントキャンペーンの抽選結果の配信など、RFiD社との技術連携で開発しそうです。

 

思えばカーラは一見何気無い陶器でありながら、底面に滑りにくい加工を施す、折れ曲がってつかみやすいお皿など、テクニカルな挑戦を続けてきたブランドでした。その先の挑戦はあるのかな?と思いましたが、さすがインダストリー4.0を推進するドイツ。IoTの方面に進んできたのですね。

またホレカゾーン以外でも、各メーカーがホレカビジネスの潮流を意識したブースをつくっており、ドイツの見本市の情報分析力、また出店する側もテーマを受け止め解釈する力があり、見本市全体は面積や出店者数という意味では縮小していても、テーマ性という「質」を大きく向上させたと感じました。

ホレカの取材の後にフランクフルトの市街に出てみると、たった1年で街は大きく様変わりしていました。ドイツ伝統の料理店は数が減り、世界の料理やテーマに特化したフードコート型の飲食施設やビュッフェスタイルのレストランが、ショッピングモールや駅、空港に増えていました。

フランクフルト市街のまん真ん中にある商業施設「マイ・ツァイル」の最上階は、フードコート型のレストランフロアに変貌し、多様なフードサービスが展開されています。「ホレカ」は消費者が体験する現場のニーズから生まれたゾーンと言えます。

そんなレストラン街をぶらぶら歩きながら、食器も料理のサーブの仕方も、とりわけ方も、調味料も、注文の仕方も、スタッフのあり方も変わる今、「ホレカ」は今後アンビエンテの成長株ゾーンになると予感しました。

取材・文/本間美紀 Miki HommaJournalist

早稲田大学第一文学部卒業後、インテリアの専門誌「室内」編集部に入社。独立後はインテリア視点からのキッチン、家具、住まい、家電、キッチンツールまで、デザインのある暮らしの取材を得意とし、建築家住宅の取材は300件以上、ユーザーとメーカー、両サイドからのインタビューを重視し、ドイツ、イタリア、北欧など海外取材も多く、セミナー活動も増えている。著書に「人生を変えるインテリアキッチン」(小学館)、「デザインキッチンの新しい選び方」(学芸出版社)「リアルキッチン&インテリア」(小学館)

アンビエンテ国際消費財見本市
次回会期:2021年2月19日~23日
会場:ドイツ・フランクフルト国際見本市会場
視察出展問い合わせ:メッセフランクフルトジャパン TEL03-3262-8444
Copyright © Messe Frankfurt / Marc Jacquemin

www.ambiente.messefrankfurt.com/

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