●重さと温かさのバランスで
深みある金属色のジーマティック。壁側のバックセットは窓からの光を受け止める白を選びました。その前に家族で囲める、暖かみある丸いテーブルを選んでいます。インテリアのお話を聞いていると「キリッとした感じ」と「温かみあるニュアンス」という言葉が何度も会話の中で交差しました。
キッチンはグリッドのような端正な框で囲まれたデザイン。ジーマティックのドイツキッチンらしさは、6.5mmの細いフレームで、これが空間に知的なグリッドを生み出すのです。框、というとクラシックデザインのものという先入観を一新してしまったのが、2016年に発表されたこのフレームのデザインスタイルでした。
中央にはリビングボードのように飾れるニッチ収納が備わります。これもジーマティックのアイコニックなデザイン。木のトイや名車のレゴなど、娘や息子たちからの贈り物が飾られています。ドイツキッチンの、時には真面目すぎる感じを、どこか和ませてしまうあしらいです。
ダイニングの照明は「存在感がなく優しい感じのものを」と、タイム&スタイルで選んでいます。「北欧の名作照明も検討していたのですが、有名すぎてフォルムが強すぎ、私たちとキッチンを主役にしてくれるさりげないものであることが気に入りました」。これまでの自分なら選ばなかった色 ── ゆみさんがそう言うほどインパクトあるゴールドブロンズの色を、ゆみさんが培ってきただろう優しさが包んでいました。
ソファは背もたれがふわりと曲がり、どこか人間味を感じる名作ソファ「マラルンガ」。
2人掛け(ワイド)はSPARKSというテキタイル張りで少しやさしく。3人掛けはグレー色の革張りできちんとした感じに。張り地のマテリアルで柔剛のメリハリをつけています。