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Special Issue
Karimoku Commons Tokyo

カリモク家具のハイブリッドスペース誕生

2021.07.27 キッチンジャーナリスト 本間美紀

●「モダンなカリモク」が広がる3階

国民的な木工家具メーカーだったカリモク家具。それとは違う流れをと、2009年にデビューしたコレクションが「KNS(Karimoku New Standard)」です。2階とは違うモダンな印象のリアルファニチャーが展開されています。10年かけて育ててきたコレクションで、現在はスイス人のダビッド・グレットリさんをクリエイティブ・ディレクターに起用。デビュー当初はニューネームばかりで驚きました。

ミラノサローネでも発表しているコレクションは、ライトでグラフィカルなセンスがあり、海外や日本のカフェやホテル、多くの場所で見かけるようになりました。

意外な評判を呼んでいるのが、KNSのソファ類。これまでまとまった展示が少なかったので、ここで全貌がわかったような気もします。

チューブを曲げたような「エレファントソファ」は確かにゾウの背中や鼻を思わせます! コロンと丸い「ポーラーラウンジチェア」は、なめらかな丸みで、こんな張り方あるの? と思わせる立体的なソファ。カリモク家具は本当にあらゆるものが製造できるのだと想像させます。

「ポーラーラウンジチェア」

「MAS」は熊野亘さんが国産の針葉樹の簡素な美を表現したシリーズです。使っているのは国産のヒノキ。MASは「枡」の意味でもあり、デザインモチーフはすべてスクエア。無垢の木を組む職人技で堅牢な家具に仕立てました。角部の組み方は、どこかで見たことが……あ、日本酒の枡の接合部に似ている、と気づきます。椅子の座面はフラットのように見えますが、緩い局面になっており、マジックテーブで別売りのクッションを取り付けられるようになっています。

成長は早いけれど柔らかく、傷もつきやすい針葉樹は、家具には向かないと言われてきました。MASは経年変化の様子も美しいことを想定したデザインです。戦後の植林過多で伐採期を迎えているのにもかかわらず、うまく活用されない可能性もある針葉樹 ── そんな森の問題をポジティブに転換した、最新コレクションです。

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