●建築やキッチン空間とのハーモニー
アレッシィがつくるのなら夢を追いたいと、バルクッチーネ社と挑戦した丸いキッチン。残念ながら今は製造していませんが、私はこれが当時ミラノサローネで発表されたときに、展示イベントを訪ねていました。今見てもすごいフォルムです。
お鍋がずらりと並んだ大きなキッチンクローゼット。歴代のアレッシィ製品が並んでいます。
ダイニングのガラス扉キャビネットにはやはりアレッシィの食器類が。長い引き出しにはカトラリーがずらり収められています。全てのデザインはモダン建築と一体で考えられている。この食器棚を見た時、つくづく感じました。アルベルトさんが自らデザインした自宅は、90年代イタリアモダンの香りも感じました。
「アレッシィのプロダクトは建築のパートナーなんですよ」とアルベルトさんが話す、その真意はこの食卓からの光景でもわかります。日本でもオープンキッチンが増えた今、家具やキッチンのスタイルに生活用品が寄り添って行くと、こんなシーンが広がるに違いありません。
洗ったイチゴを並べただけなのにこんなにモダンになるステンレスのトレイ。複雑なフォルムは製造もさぞ、手がかかっていると思います。
コーヒーとすみれの砂糖漬けがテーブルの上に絵画のように映えるコーヒーセットやトレイ。まさにこれがアレッシィの目指している世界観です。
大御所とも言えるアルベルト会長ですが、食事の間、話すことは人生の素晴らしさと美しさでした。「自宅に建築家やデザイナーを招いて、ここで飲んで食べて話す。するといろいろなアイディアが生まれてくるのさ」。
アレッシィのプロダクトと建築の深い関係。それを知ると、モダンなキッチンの景色の一つとしてアレッシィを選びたくなる。そう思えてくるのでした。
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取材・文/本間美紀 早稲田大学第一文学部卒業後、インテリアの専門誌「室内」編集部に入社。独立後はインテリア視点からのキッチン、家具、住まい、家電、キッチンツールまで、デザインのある暮らしの取材を得意とし、建築家住宅の取材は300件以上、ユーザーとメーカー、両サイドからのインタビューを重視し、ドイツ、イタリア、北欧など海外取材も多く、セミナー活動も増えている。著書に「デザインキッチンの新しい選び方」(学芸出版社)「リアルキッチン&インテリア」(小学館)
「ALESSI ポップアップイベント LOVE YOUR LIFESTYLE」
場所:阪急うめだ本店 7F コトコトステージ71
期間:10月31日(水)~11月6日(火)※日~木曜日 午前10時~午後8時/金・土曜日 午前10時~午後9時
アレッシィ製品についてのお問い合わせ
リチャード ジノリ・アジアパシフィック TEL 03-3222-1735