●アレッシィに改めて注目する理由
もしアレッシィを選ぶなら、ものだけを見ないで、ちょっと遠目で見る。キッチン空間全体の中で、どんなアクセントになってくるれるか。そんな風に考えると、ユニークでオリジナルな造形の意味がわかってくる。それがアレッシィのプロダクト。ということで、キッチンジャーナリストの本間美紀です。今回はイタリアブランド・アレッシィに再注目したいと思っています。
アレッシィ、実はリアルキッチン&インテリアの取材で、キッチンやダイニング、リビングに置かれていることが意外と多いブランドなのです。読者の皆さんが選んでいるのは、ステンレスをベースにしたシックなアレッシィ。個性的なデザインを日本の家庭でアクセントにしているのを見ると、上手だなあ、と思います。
アレッシィ本社に足を運んでみようと思ったのは、そんなキッチンインテリアとの相性の良さからでした。
アレッシィは1921年創業、金属の加工で知られる山岳地帯に近い北イタリアの街に創業。一帯はエスプレッソマシーンや銀器など生活用品や水栓金具、時計の部品など細かな金属加工品の産地です。アレッシィの製品が、すみずみまで目が行き届いた品質なのは、そんな地域性も反映されています。
デザイン大国イタリアや世界のデザイナー、建築家を起用したデザインでステンレスやプラスチック、陶器など、ほかにはない独創的なデザインが知られますが、特にリアルキッチン&インテリアで注目したいのは、建築家による大人のデザインシリーズです。
お鍋、レードル、コーヒーポットやお皿、フルーツボウル、レモンスクイーザー、ソルト&ペッパー、ブックスタンド、時計まで、、、、キッチンとダイニング、インテリア、アパレルまでを結ぶ製品が、90年の間に約5000アイテムも生まれ、そのうち約2000アイテムが世界で展開されています。本社に行くと、ずらりアレッシィの名作が、、、、長年アレッシィを追い続けてきた目には宝物ばかり!
初代から数えて4代目までが本社で働く典型的なイタリアンファミリー企業。重鎮とも言える会長のアルベルト・アレッシィさんと、甥でありデザインマネージャーのカルロ・ガスパリーニさんに話を聞くことができました。