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Special Issue
For our coffee

オールドビーンズが香る場所

2018.06.20 キッチンジャーナリスト 本間美紀

●夫婦の世界観に寄り添うキッチン

2階の吹き抜けからはキッチンが見下ろせます。リビングには木と革の経年変化が味わい深いヴィンテージのソファ、フリッツ・ハンセンのアームチェアPKと、マニッシュなものを選んでいます。大きな空間の中で、キッチン、ダイニング、リビングがバランスよく釣り合うのは、二人の価値観が貫かれているからなのでしょう。インダストリアルな塊のようなキッチンは、その中に調和してます。

窓のテキスタイルはスイス・フィスバからセレクト。テーブルは友人が製作。椅子はグザビエ・ボシャールが1934年にデザインしたトリックスの「エーチェア」。

「特に意識したわけではないけれど、夫婦そろって無駄のないものや、素材そのままの表情が見えるものが好きですね」と亜矢子さん。テーブルは無垢材をランダムに並べたようなイメージで、腕に覚えのある友人につくってもらった世界にただ一つだけのテーブルです。アイアンの脚、4枚の天板の微妙なずれ具合は、既製品には見つからないテイストでした。

作陶教室に通って焼き上げた作品は色を抑えた、味わいのある表情。コーヒーを飲む時は、この器を使うことも多いという。

「キッチンの先にはインドアガレージがあり、夫が趣味の自転車をチューンナップできます。鏡ばりで土足で作業できる場所は、男性にとっては憧れの場所ですね。キッチンに近い意味を持つ場所かもしれません」

「夫が趣味の先生から新築祝いでもらったのが、英国・スポング社のヴィンテージのコーヒーグラインダー。万力のような台を、ファイバーボードの端材に挟んで使っています。重厚な鉄の表情は、自転車にも通じる魅力があります」

料理だけではなく、むしろ自転車や陶芸、カメラ、これから挑戦しようと思っている山登りなど、二人の趣味の世界の延長線にあるのが、このインダストリアルなキッチンなのかもしれません。

Supported by kitchenhouse

取材・文/本間美紀 早稲田大学第一文学部卒業後、インテリアの専門誌「室内」編集部に入社。独立後はインテリア視点からのキッチン、家具、住まい、家電、キッチンツールまで、デザインのある暮らしの取材を得意とし、建築家住宅の取材は300件以上、ユーザーとメーカー、両サイドからのインタビューを重視し、ドイツ、イタリア、北欧など海外取材も多く、セミナー活動も増えている。著書に「デザインキッチンの新しい選び方」(学芸出版社)「リアルキッチン&インテリア」(小学館)

撮影/大塚紘雅 福岡を拠点に活躍するフォトグラファー

[My kitchenhouse] はキッチンハウスとリアルキッチン&インテリアがお届けする、リアルなキッチンの今を伝える連載です。

お問い合わせ/キッチンハウス 東京店 世田谷ショールーム TEL:03-3969-6648
www.kitchenhouse.jp

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