INTERIOR
Milanosalone&MDW2024 02

Molteni&C/FLEXFORM

2024.05.31 キッチン&インテリアジャーナリスト 本間美紀

・空間の中に小さな建築をつくるよう

キッチンの「VVD」。キッチンの一部を家具でファニッシングして「ルーム」をつくる、という考え方が会場でもお披露目されました。

キッチンの脇の壁にコージーなベンチソファやテーブルが設えられ、緊張感とくつろぎを調和させた建築的なアイディアです。

モルテーニ、といえばの収納家具、クローゼットシステムももはやオープンキッチンのようなお部屋に。キッチンでお鍋や食器を見せてしまうように、お気に入りの衣類を飾るようにしまう考え方もモルテーニが定着させたと言っていいでしょう。このようにブレない哲学を幾度も見せていく。そのことで私たちは、新しい考え方を認知し、特別だったものが暮らしの中で当たり前になっていくのです。

今年は創業90周年を迎え、「AN ITALIAN DESIGN STORY」として、さまざまな企画やイベントを行なったモルテーニ。その詳細は後日、詳細なレポートを予定しています。

これからのモルテーニの方向性はこの1枚の写真に集約されているでしょう。ついわかりやすいソファやチェアを見てしまうのですが、今年は天井まであるフルハイトのドアやガラスの美しいスライドドア。建築空間はエンプティでフリーな場所であり、その中のインテリアは、空間を仕切る仕組みまでデザインが採用できる。

このスライドドア「シンクロ」はグループブランドのユニフォーによってデザインされています。ドア越しに見えるモルテーニの世界のショーケースのよう。

家の中に小さな空間をインテリアブランドが生み出すー私の意見となりますが、「インテリアアーキテクチュア」という考え方が、特に収納を強みとする総合家具ブランドの中で広がっていくように思えます。モルテーニはまた、その先の未来への先駆者となったのです。

MOLTENI&C

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