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Our Home, A Private Resort
ホテルライクハウスの知的なキッチン
イタリアの家具ブランドの総合力はどんどん広がっているようです。世界各地に建つ建築を舞台に、内装はキッチンから収納、建具まですべて家具ブランドが請け負います、というものが増えています。今回、家具を見ていて、インテリア・アーキテクチュアという言葉が何度も頭をよぎりました。日本で家づくりをされる方が、必ず検討するだろうブランドの、トピックスをしばらく続けていきます。
その筆頭はモルテーニでしょう。ミラノ国際家具見本市会場での展示は、最大級の面積で、ショールームではできない邸宅の再現を行なっていました。1930年代の建築家・ポルタルッピによるミラノの邸宅建築、ヴィラ・ネッキ邸をオマージュした、まるで一棟の家のようなブースが登場したのです。
ヴィラ・ネッキ邸は1930年代ですから日本で言えば昭和初期です。古典的な建築をベースに、プールやテニスコートもある、当時としてはモダンな文化を楽しむ家族の家として建てられました。そこに漂う’’モボモガ的な’’ニュアンスを今年のテーマに選んだのです。ローズウッドやマホガニー、ウォルナットなど今となっては希少な材を色っぽく使った建築です。
もともと収納家具などの箱物の技術に秀で、数々の名作収納を輩出。その哲学はキッチンやリビングボード、ソファ、チェアなどに展開されていますが、今年は「家まるごとをモルテーニでファニッシングしよう」という強い意思が感じられました。
ラウンドソファは数年前から登場し、今年はすっかりどのメーカーでも定番に。モルテーニも例外ではありません。「AUGSTO」はラウンドタイプが登場しました。