1

Serene Space, Delicate Details
静けさの中にさりげなく自分らしさを
元木大輔さんの発表した「ストップ・メイキング・センス」は、電源コードやホースが日常の中でただぐるぐるとある様子を、雑然としたシーンとして捉えるのではなく、「リフレーム」(ある意味見立て、という考え方に近いかもしれません)という考え方でアートのようなオブジェにしてしまった作品。
鮮やかなブルーにオレンジのコード。電源コードとして実際に使うこともできます。元木さんの奇才ぶりは健在でした。
ロンドンを拠点に、「音楽」をデザインの手法として捉える独自のアーティスト・スズキユウリさんの作品は、スイッチを切り替えることによりその日の音をつくりかえることができる装置。
レトロなオーディオ機器に見えますが、このスイッチの位置や背面の刻みなどディテールが美しく、それだけでオブジェになります。
開催にあわせて、新たなカタログも発表。「本カタログには、既存作品から本展で発表する 新作までを集録しています。各作品と対になるビジュアルを油絵や水彩で作品の要素を抽出し描くと いう、コレクションを「作品」と呼ぶ意味をより強調したカタログになります」(プレスリリースより)。
このカタログが美しいアートとプロダクトが見開きに並んだアート仕立てで、思わず見入ってしまいます。
アートと家具の境目がゆるやかになってきた昨今、E&Yのショールームもぜひ訪れてみてください。使いやすいソファや小物など、どこかアート性を感じる独自のプロダクトが生活空間の中に並びます。
取材・文=本間美紀
E&Y CO.LTD
https://www.eandy.com
TEL:03-3481-5518