INTERIOR
Our chair-HIROSHIMA

この椅子への想いを解く

2020.02.03 キッチンジャーナリスト 本間美紀

●アームチェア「HIROSHIMA」をじっくり考える

「リアルキッチン&インテリアseason8」では、日本でつくられた、またはデザインされた椅子について考えてみました。

取材に行くと、多くのキッチン空間でダイニングチェアとの密接な関係を感じます。テーブルの天面から顔をのぞかせる椅子の背のフォルム。素材の色や張り地の色。これらのダイニングチェアの要素をキッチンとコーディネートして考えるのは、リアルキッチンではもう当たり前。ハイスツールをキッチンの前に並べるスタイルも増えています。

正直、今までの「リアルキッチン&インテリア」の取材ではカッシーナの「キャブ」とカールハンセン&サンの「Yチェア」が2強でした(それも長く長く、、、)。そんな中、ここ数年の取材で、日本のキッチンダイニングでよく見かけるようになった椅子がマルニ木工の「HIROSHIMA(ヒロシマ)」。日本を代表するデザイナー・深澤直人さんのデザインです。

発表されたのは2008年。もう10年が経とうとしていますが、いまだに瑞々しさを感じるフォルム。そして2017年にアメリカのアップル本社に大量採用されたのを機に、知名度が上がりました。マルニ木工ではジャスパー・モリソンや深澤さんの別のデザインも出ています。もちろんそちらも人気ですが、マルニ木工の家具の中でも「HIROSHIMA」は、頭一つ飛び抜けた印象を私は持ちます。これは今後の新定番チェアになっていくかも?

どうしてなのでしょうか。その理由を分析してみたいと思います。

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