【本間美紀のコラム 2023/04/10】
来週からのミラノサローネ国際家具見本市を前に、先週は雨嵐のようにイタリアからのメールが降ってきた。
その理由は今年は4月9日がイースターサンデーだったから。金曜日から始まるイースター休暇を目指して、そしてその後のミラノイベントの準備で、イタリア人必死で休暇前に仕事頑張る、、、という様子が肌感覚で伝わってきた。
ということで、ドイツの友人のユリアから、イースターサンデーの食卓の写真が送られてきたので、今回はそれを紹介しながらコラムを書いてみる。
私もその勢いに押されて、いつもはギリギリまで決めないミラノサローネ取材の予定をすでに詰め始めている。
そして金曜日からぱたっとメールの雨は止み、また火曜日からいろいろなことが動き始めるのだろう。今日はそんな月曜日。
キリスト教圏の国ではクリスマスと同じくらいか、それ以上に盛り上がるイースター休暇。ミラノサローネの日程もイースターサンデーを基準に決められるほど。
クリスマスよりも幸福感に満たされるのはやはり春の喜び、再生や新しく生まれる命、温かい何かを孕んだ宗教行事だからだろう。多産のウサギと卵はその象徴だ。
ミラノサローネがイースターサンデーの前だと、会期が終わると同時にイタリアがどっと休暇モードに入ってしまうので、後追いの連絡が難しくなる。久々のアフターイースターのミラノは勢いづいている。
とはいえ一方で、会期が遅くなるので日本はゴールデンウィークと時期が近づいてしまい、これもなかなか苦しい。
そんな中、「ドイツでは伝統のキャロットケーキを今から食べます」と写真が届く。イースターサンデーはブランチからティータイムへ進んだよう。こんなやりとりがオンタイムでできる時代。
休暇を何より大切にするから、仕事も情熱を持って、でもしっかりと終わらせて時間を生み出す。
イースター、サマーバケーション、クリスマス。ヨーロッパと仕事をすると、年に3回。ワークアンドライフのバランスのためのエネルギーをとてもリアルに感じる。
そして今、春の恵みをたくさん盛り合わせた、幸せなイースターディナーの写真が手元に届く。
何かが芽吹く季節が始まります。
コラム=本間美紀(キッチン&インテリアジャーナリスト)
Text=Miki Homma(journalist)
Photo=Julia Hencken
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