Collumn
Days & Stories

キッチンで響く言葉は

2022.05.23 キッチン&インテリアジャーナリスト 本間美紀

【本間美紀のコラム 2022/05/23] 

●キッチンセミナーで人気のあったキーワードは?

少しずつ出張やイベント開催が再開されて、3月後半から人に会い、飛び回る日々が続いている。

先週5月19日は久々にリアルでプロ向けセミナーを「IHPC大阪 新キッチンゾーンお披露目会」で開催いただき、80名以上の方にお会いすることができた。

IHPC大阪は南港のアジア太平洋トレードセンターにある、迷宮めいた複合ショールームだ。

世界の建材、部材、住宅設備、材料が集まる施設として開設されたが、いまでは国内の企業も多い。特に地方の中小規模オーダーキッチン会社の出展が多く、個性的な形のキッチンや技術的に特化した企業に出会える。

プロ、ユーザー向けどちらも利用できる場所で、大阪らしく? キッチン、バス、建具、庭製品、タイル、洗面、バス、などありとあらゆるものが、‘’ごっちゃり‘’と並んでいる!

この数年はさらに拡張して、私は魔窟、迷宮、宝島など、ちょっとからかいながらこの場所を解説している(笑)。それぐらい、いろんなものがあり、迷子になる場所なのだ。「本間さんにいつまでも迷宮といわれるようにがんばります」と担当女性も笑顔。

耐熱、耐水性の畳でできたオール畳キッチンにびっくり!!!この場所のユニークさを象徴する1台。

公共的な施設なのでお役所的な場所になってしまいそうなところを、担当チームは全国からとてもユニークな出展者を集めてくる。私もその心意気を感じて、今回のセミナーを久々にお引き受けさせていただいた。

とはいえ、3年ぶりだしマスクはしているし、プロ向けセミナーだからスーツ姿の男性も多い。誰が誰か、名前が出そうで出なかったり。それでも80名との再会はとてもうれしかった。

「キッチンユーザー新世代」というテーマでここ数年の「リアルキッチン&インテリア」の取材から、さまざまな事例から読み取れるキーワードで展開した。

私の話の中でどんな言葉が印象に残りましたか?

アンケートで人気の高かったキーワードは
「価値観を持った知的高感度層は家やキッチンを丁寧につくる」「キッチンのマルチファニチャー化がカスタム、オーダーの強み」「自分らしさを求める人は多様な情報源を持つ」が上位3つ。

意外だったのは、SNSが人々の視野を狭めはじめていると感じている企業が多かったこと。また受講者は20代30代の新世代の参加も多く、キッチンに対する考え方が変わったという言葉には、私もとても嬉しく感じた。

「本間さんコーナー」として、常設で著書をそろえて並べてくれています。そんな心遣いに感激しています。

私にとって「キッチン」とは一つの視座。視点を定めることで、家具や住まい、デザイン、ライフスタイルの変化を知ることができる。それを整理して伝えて、誰かがその情報やキーワードを糧に新しく何かを育んでいけることがコミュニケーション仕事の使命。

ということで、私はセミナーではいつもアンケートの言葉をとても大切にしている。自分のためではなく、その言葉を次のセミナーを聞く人のための、豊かな土壌として循環させたいと思っているから。

またリアルセミナーでみなさんにお会いできるのを楽しみに!

 

コラム=本間美紀(キッチン&インテリアジャーナリスト)

●前回のコラム「予想図通りにはいかない」はこちら
●次回のコラムはこちら

【本間美紀のコラム/バックナンバーはこちら】

※至近ではドイツのトレンドセミナーのファシリテーターに登場します。
2022年6月1日、2日、12時30分〜13時15分「ドイツ アンビエンテトレンドセミナー」
ドイツからの録画と私の生の解説で構成します。予約不要、先着順。
「インテリアライフスタイル」@東京ビッグサイトにて、お目にかかれるのをお待ちしています

IHPC大阪 ATC輸入住宅促進センター
https://www.atc-ihpc.com

Recommend

TOP