
【本間美紀のコラム/2025/6月9日】
ミラノの話を書こうと思う前に東京のオープンラッシュ、イベントラッシュに巻き込まれ、まったく進まず6月に。今週末からコペンハーゲンに飛びます。
その前に諦めずにポリフォーム東京のオープンの様子も紹介します。南青山の2フロアで、自然光の入るガラス張りの建物。今年、ミラノでのポリフォームは2026年の新ショールームの準備のためか、ややおとなしめ。むしろミラノよりポリフォーム東京の方が、このブランドの「いま」を感じることができる。
アクタスが長く扱っていたポリフォームは、この10年間で存在感がグッと増した。その裏にはやはり世代交代がある。中央のマルコと右端のガイア、従兄弟同士で小さい頃から工場に出入りして遊び、価値観をともに育んできたという。経営はマルコ・スピネリ、コミュニケーションやマーケティング、ブランディングはガイア・スピネリが担当し、収納家具ブランドから総合家具ブランドにぐん、と成長した。
二人にインタビューをしてみたけれど、頭の回転の早いこと、早いこと。6つの専門工場を効率的に回し、得意の収納家具はもちろん、フルハイトドア、壁一面のキッチン収納、インテリアと一体になるキッチン、ソファやナイトエリア、優美なキャビネットまでそろう。
モルテーニやB&B、カッシーナはすでに日本にフラッグシップショールームを展開していたけれど、ポリフォームのコンセプトが日本で正しく展開されるのは、今回が初めて!と言い切れる。「どういうブランドかわからない」というほんわかした認知から、一気に「全部わかる」急展開にになっている。
ポリフォームの製品は端正だけど、意外と尖ってない。さらにメインパートの収納家具やキッチンは社内のR&Dで手掛け、デザインの強い自己主張を控える。「だから採用しやすい。工場で何ができるか全て知っているのはポリフォームの人間。依頼の要望を汲み取って、すぐに形にできる」とガイア。もちろんデザインのアクセントとして、フランス人デザイナー、ジャン・マリー・マッソーが手がけた、ソファやアームチェアもそろえている。
話は急に東京からミラノに飛んで、ポリフォームラボの話をちょっとだけしたいと思う。一般に非公開の場所なので本当に部分的に。