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Serene Space, Delicate Details
静けさの中にさりげなく自分らしさを
乃村工藝社は、「一人ひとりの『クリエイティビティ』を起点に空間のあらゆる可能性を切り拓く」をビジョンに、企業やブランドの魅力を引き出す空間づくりに取り組んでいます。
そんな真面目な乃村工藝社が取り組むプロジェクトは人と物との関係性について再考し、実験的なデザインで人と物の関わり方や価値とは何かを改めて気づかせてくれるプレゼンテーションでした。
・安定しない椅子dohdoh
・拒否する気まぐれなテーブルi i i
・使っている時間と使われていない時間が視覚的に伝わるランプsorosoro
どの家具も決して使いやすいわけではなく、むしろ気を使わないといけない。ダメな子ほど愛らしいというような物に対する愛着をデザインで提案しているプロジェクトです。
技術の進化で生まれる無駄のない空間と、無駄から生まれる家具とのコミュニケーション。どちらも異なるアプローチながら「豊かさ」を提案しており、その対照がとても面白いと感じました。
デザインのベクトルが異なることで、豊かさの本質について改めて考えさせられました。
取材・文=半井梨佳(アソシエートライター)