●サローネサテリテの母、「デザインのシステム」で名誉修士号
さて日本ではあまり知られていませんが、サローネ の国際プレスのPRのトップとしてマルヴァ・グリフィン(写真左から2番目)という女性がいます。ヴェネズエラ生まれのイタリア人で、C&Cなどの家具のブランドで働いた後、ミラノサローネに入り、若手デザイナーの登竜門「サローネサテリテ」を立ち上げて、多くのデザイナーを輩出してきました。本当に今活躍している大手でも、サテリテ出身という人が多いのです。
今年彼女はミラノ工科大学デザイン学部より名誉修士号を授与されました。それは「デザインを社会や教育、経営の戦略的システム」として成立させた手腕に対してで、私も近年の取材ではつくづく感じるのですが、デザイン、意匠設計とは「もののかたちの造形」ではなく、美しく心地よくものごとがまわる仕組みづくりに変化しています。そのことが客観的にアカデミズムから評価されたかたちです。
もともとインテリア業界は女性の活躍が多いですが、今年のミラノサローネでは社会的な要人として女性が全面的に押し出されていました。
Reported by Miki Homma
スーパーサローネ開催期間:2021年9月5日〜10日
取材協力:ミラノサローネ国際家具見本市
Photo credit= Andrea Mariani, Diego Ravier, Francesco Rucci, Luca Orsi
取材・文=本間美紀
スーパーサローネ開催期間:2021年9月5日〜10日
取材協力:ミラノサローネ国際家具見本市
www.milanosalone.com
Photo credit= Andrea Mariani, Diego Ravier, Francesco Rucci, Luca Orsi