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The Elevation of Gravity
ガゲナウが目指す究極の静けさ
日本でも多くの建築家住宅やデザインハウスで採用されている照明・フロス。今となっては当たり前のミニマリスティックなデザインで、60年間、イタリア照明界のトップとして君臨してきたブランドです。そんなフロスが、ミラノサローネ国際家具見本市開催中の2022年6月に特別イベント「シー・ザ・スターズ・アゲイン」を開催しました。
コロナ禍でミラノサローネ国際家具見本市でも「エウロルーチェ」(照明の専門見本市)が延期となる中、会場はミラノ市街から少し離れた産業地帯のスタジオ「ファブリカ オロビア」。広い建物を存分に生かしたイベントとなりました。ここはプラダ財団もある芸術促進エリアで、ミラノオリンピックの拠点としての活用も予定されています。
カルヴィ・ブランビラの監修の空間には、3年の歳月を埋めるかのように14組のデザイナーの新作が白くシンプルな壁をベースにした空間に並びます。
まずパトリシア・ウルキオラの「アルメンドラ」がポツンと、あまりにもシンプルに吊られ、会場の中へと導かれる構成に、私はフロスの自信を感じました。
このミニマリスティックな在り方が、フロスの哲学そのものだからです。
ここをスタートにめくるめくような新作の展示がはじまりです。
この「ファブリカ オロビア」で、マイケル・アナスタシアデス、エドワード・バーバー & ジェイ・オズガビー、ロナン & エルワン・ブルレック、アキッレ&ピエル・ジャコモ・カスティリオーニなど、最も評価の高い国際的な建築家やデザイナーによって設計された、住宅、建築、アウトドア、ビスポークのすべての部門にわたる革新的な照明コレクションを、空間ごとに整理して、発表したのです。