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Special Issue
German house as it is 02

自然と暮らしをつなぐドイツの窓

2019.06.25 キッチンジャーナリスト 本間美紀

●大窓はドイツの家の “当たり前”

それだけではありませんでした。ドイツの窓はそのままインテリアになります。そんなことを教えてくれたのが、時々訪ねるドイツ人の親友の家でのこと。ある年は春に彼女を訪ねました。窓はそのまま景色を切り取るフレーム。これができる第一の理由は、ドイツの窓の構造が堅牢であるからです。大きな窓が可能。つまり壁が窓、窓がそのまま室内の景色になるのです。

季節のいい時は大きな開口を開け放ちリビングとガーデンの行き来を楽しむのもドイツの家の特徴。大型のドレーキップとフィックス窓の組み合わせがよく見られます。フレームは堅牢さを持ちながらも視界を邪魔しないサイズで、リビングとガーデンの境界線を意識させません。

ドレーキップは小窓から人の出入りするドアまで使われ、新鮮な外気を常時取り入れるキップ(前倒し)にしたり、大きく開放して外に出るドレー(内開き)にしたりと簡単なハンドル操作で、上手に使い分けができます。その合理性がドイツらしさです。開け放した窓の外こそが、本当の居場所。そう考えるドイツ人は庭の手入れにも余念がありません。春夏のおもてなしの定番といえばガーデンBBQです。

そしてもう一つ大事な点はドイツの窓の驚異的な断熱性能です。それはある冬、同じ家を訪ねた時に実感しました。雪が残る庭から眺めた家は、まるで照明のようにきれい。中では暖炉が燃えています。ドイツの窓は厳しい冬の景色をそのまま取り入れることもできるのです。

もちろん眠る前には外付けブラインドを降ろして、冬の寒さをカットします。ブラインドを降ろすと窓とブラインドの間に空気層が生まれ、窓ガラスが冷えるのを防ぐ効果があります。

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