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Special Issue
cattelan italia

彫刻のようなイタリア家具 

2018.06.22 キッチンジャーナリスト 本間美紀

[日本一詳しいエウロクチーナレポート カッテランイタリア編]
Reported by Miki Homma/journalist

ミラノサローネに出展している星の数ほどの家具ブランド。その中で、今回私がじっくり話を聞いてみたいと思ったのは、実はこのカッテランイタリアでした。最近、キッチンの取材に行くとダイニングに同社の「スパイダー」というテーブルを置いてある家に何度か行き当たり、そのエレガントさが気になっていたのです。

キッチンはシンプル、家具はデコラティブに。そんなインパクトを空間で出しやすいテーブルは、カスタムキッチンの人気ブランド、クチーナ(モーリコーポレーション)系列の家具ショップで取り扱いがあります。そんな売り方もあって、キッチンとインテリアを一緒に考える層にヒットしているのでしょう。

2月にキッチンに似合う家具のセミナーを行った時も、このカッテランイタリアのテーブルは「もう一度写真が見たい!」という声が多かったのです。その時から「ん?」と気になっていました。これは「ゴードンケラミック」。

まだ日本ではほとんど知名度がないのではないでしょうか? 超有名ブランドではありませんが、イタリアではハイミドルクラスの位置付けです。コミュニケーションマネージャーのカルロ・ロケッティさんにお話を伺いました。

「カッテランイタリアは1979年に創業。もともと大理石のテーブルをアメリカ市場向けに輸出する企業でした。ベネツィア近くのカレ地区に、ジョルジオとシルビアのカッテラン夫妻で立ち上げた会社です。特に大理石の扱いに長けていて、今セラミックのテーブルを美しく仕上げられるのも、その流れを汲むものです」とカルロさん。

大理石の美しさを再現したケラミック(日本語でセラミックの意味、ここではケラミックと表現した方がカッテランイタリアらしいので、こう表記します)。

80年代90年代に入るとマーブルの他に、クリスタルガラスのテーブルやオブジェもつくり始め、さらに15年前には「アルケティポ」というソファやチェアなどの椅子ものを作るブランドを吸収し、カッテランイタリアはインテリア全般を提案するグループに成長します。さらに2010年代にはモダンデザインを取り入れたブランドに転換しますが、この年に日本で人気のテーブル「スパイダーウッド」が誕生したのです。これは平たい鉄骨の足が交差したフォルムで、すでに8年が経っていますが、今なお新鮮な気がします。

カッテランイタリアのブランドの分岐点となった「スパイダーテーブル」。2010年。
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