INTERIOR
Milano Salone topics 02

マクサルトとフレックスフォルム

2023.05.18 キッチン&インテリアジャーナリスト 本間美紀

・MAXALTO/マクサルト(イタリア)
ーブランドの世界観をより明確に

「マクサルト」をご存知でしょうか? 日本では一部のハイエンド層しか知られていないブランドだと思います。
B&B イタリアに紐づいたハイエンドブランドで、アントニオ・チッテリオがシノワズリーや工芸的と技術の粋を尽くしたトップブランドです。

その区別がつきにくかったマクサルトが今年は大転換。
一つのブランドとして明確な輪郭をもつために、ミラノサローネ会場に出展しました。これは大きなニュースでした。

70年代に使われていたロゴを再起動させ、木のフレームにライスペーパーを張った行灯を思わせる高輝度のブースが、会場で誘蛾灯のように来場者を引きつけました。

マクサルト、、、というと重厚で空間を選ぶ家具、というイメージがあったのですが、新しい方向性は非常にシンプルでわかりやすいビジュアルコミュニケーションです。

アイコニックアイテムでもあるフリースタンディングのキャビネット「ミダ」に新作ソファ「アルビター」、レッグが床に向かって狭まるシルエットのベンチ「イントート」。
王道の組み合わせを見せていますが、非常に軽やかです。

クロスレッグのテーブル「アレス」と寄木細工のような扉を持つキャビネット「アルコ」。手前のクラフト感あるベンチは「セッラ」です。
こちらは最近、アントニオ・チッテリオのマイブーム?ともいえる、ノスタルジアの香りを感じます。

新作のラウンドキャビネット「テザウルス」とアイコニックなテーブル「アストラム」。このワンシーンがもっとも今年のマクサルトらしいと感じました。

禅的な美しさも感じますが、チッテリオが目指したのは第1次世界大戦と第2次世界大戦の間、不安な時代にパリのブルジョワ層が、華美な装飾を控えながらもフォルムの美しさという究極の美を追求していった。そのエスプリをテーマにしているそうです。

MAXALTO

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