
●すーっと溶ける気持ちよさ
手がかかることを恐れないで。そういいたくなる鍋と出会いました。これ、小さな銅鍋はモヴィエルというフランスのお鍋です
銅という金属は繊細に熱を伝えます。たとえば砂糖もバターも弱い火力でスーーーーッと溶ける。さっと引き上げれば、ぱっと加熱は止まる。保温性のいい鍋と違い、熱の強弱を瞬時に反映してくれる。そんなところが製菓職人たちから愛されてきたのです。
その中でもファースト・モヴィエルとしては、直径14センチの片手鍋がおすすめです。両手鍋や四角いロースターなど料理人仕様のお鍋はいろいろ出ているのですが、やはり最初は「小さくて扱いやすい」サイズがお手頃かも。
ハンドルはにぎるとくぼみにすっと親指が収まります。ミルクを沸かすとジュジュッと縁がこげるように、あっという間に沸いてしまうので、使っているとドキドキします。それくらい繊細で、気難しい。。。。。
●気難しい鍋は五感を磨いてくれる
でも一つくらい、小さい気難しい鍋を持っていていいのだと思います。そうじゃなければ、便利で簡単で手入れもいらないものばかりであれば、鍋の中の熱がどうかなと、と感じたり、その中で踊る食材のようすをじっと見つめたり、五感が磨かれるような気がします。ほっておけばいい簡単料理もいいですが、それだけではなんだか心が渇いてしまうかも。使った後も、鍋を手洗いする時間に、なんだか意味があるような気がします。塩と小麦粉を混ぜたペーストで優しく磨くと余韻ですよ。お肌みたいですね。
さて、わたしは、、、と言いますと、そんな偉そうなことを書きながら、まだまだ全く使いこなせず、なんですが、このお鍋のいいところは出しっ放しでも絵になるところ。うちのオープンキッチンにとりあえず置いてあると、なんだか絵になるんですね。銅はインテリアの世界でも最近、トレンドの素材です。
もちろんたまには、これでじーっくりじーくっり熱を通す料理をしてみたいと思います。
モヴィエルについてはこちらでも執筆しています。
ガストロノミーから生まれた鍋[前編]
ガストロノミーから生まれた鍋[後編]
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