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テクスチュアド・ファブリックという言葉

2023.06.26 キッチンジャーナリスト 本間美紀

●ピーリングファブリックはレトロかっこいい?

ミラノサローネ期間中も、日本でも増えているのが若者用語で「モケモケしている」と呼ばれる、ループヤーンの張り地。インテリア生地では「ブークレ」と呼ばれることも多い。

着古したアクリルセーターの表面のようなプツプツとした表情で、羊のような温かみを醸し出している。

カリモク家具のノーマン・フォスターの新作

高額のソファや椅子には、どこか端正で凛としていてほしいという先入観があるのか、最初はなじまなかった。けれどもどこのブランドにも、もう必ずこのブークレは張り地の選択肢として入っている。

「特に若い世代はおばあちゃんが着古したセーターみたいなこのテクスチュアが、レトロでおしゃれだと感じるそうなんですよ、ファッションの世界でも大流行なんです」とある人が教えてくれた。

ハイエレガントブランドの「HENGE」もブークレのソファ

ブークレと一口に言っても、ループがラフなもの、詰んだもの、少し色の混ざったもの、表情はさまざまで、手触りも違う。

これまでソファはフォルムは座り心地を重視されてきたけれど、テクスチュアーというのも重要な要素としてユーザーに伝わり始めている。

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