10年目を迎えたデザイナートのメイン会場は、旧高速道路のKK線につくられた「AUTOBAHN」。KK線は、高度成長期の東京を支えた道路でした。

使われなくなった場所に新しい価値を見つけて、よみがえらせる。スクラップ&ビルドを重ねてきた現代の日本らしい発想で、デザイナートにぴったりの会場です。年々、イベントの規模が大きくなっているのも肌で感じます。主催者の思いが形になり、街にしっかり根づいてきたようです。
会場へは、かつて車専用の通用口だったと思われる道を通って、KK線の上へ。車のための道の面影が残っていて、ここを歩いて進めるのは、ちょっと非日常的な体験です。


入口には、オフィシャルメディアパートナーとして、リアルリビングのロゴが掲げられていました。

本誌も会場で読めましたよ。

カーブは道路が少し斜面になってるのです。

初日の夜は、オープニングパーティーが開かれました。たくさんの人が訪れ、黒田卓也さんのミニライブが、銀座の秋の夜を彩りました。





壁が、実は洋服でできています。東合板と博展による「RE:FIT」は、廃棄された衣類から生まれた建材「PANECO board M」でつくった構造物です。

かつて身体に沿うものだった衣服が建材になり、モノや空間の境目にとらわれない、心地よい居場所をつくります。木材と繊維の温かみが感じられる素材でした。しっかりと強度もあるので、公共の場所にも向いていそうです。


車のエンジン部品などをつくるアルミダイカストの会社、Tai36(田井鐵工)の展示です。自社で使っている素材のアルミをリサイクルして、新しいプロダクトに生かしています。

工事現場の足場に使うパイプの金具は、ネジ頭がむき出しで、いかにも「工事現場」という無骨さが目立ちます。それをシンプルで機能的な、見せたくなるパーツに変えていました。
実はAUTOBAHNのあちこちで使われていて、景色に溶け込んでいました。従来のものだったら、仮設感が強く出ていたはずです。サイズ違いがあれば、家具としても使えそうと思いました。
パーテーションとチェアは、実は紙でできています。アコーディオンのように広げて、形を自由に変えられます。

紙ならではのやさしい手ざわりなのに、強度もしっかりしていて驚きました。形を変えることが簡単なので、様々な場所で使用しやすく環境にも優しい家具でした。

Design:molo
Instagram:studio_molo
木材(炭)とカーボンファイバーを組み合わせた作品です。

公式サイトによると、杉の幹の一片を、木が保てるぎりぎりの火加減で焼き、表面を焦がしています。焦げ目の模様は、一本ごとに違います。

杉は数十年もつ素材です。だから下の部分には、ほぼ無限に長持ちするカーボンファイバーを合わせたそうです。昨年の作品も素敵でしたが、今年はさらにソリッドな印象でした。

デザイナーユニットの名前は東京にちなんでいて、とても親日家です。作品についても、親切に説明してくれました。
Design:TOKIO
Instagram:tokio_furniture_and_lighting
02へ続く…
取材・文=アソシエートライター半井梨佳
DESIGNART TOKYO 2026 開催概要
テーマ:「Hibiki」
会期:2026年10月30日(金)~11月8日(日)の10日間(メイン会場10/30-11/3)
主催:DESIGNART TOKYO 実行委員会
エリア:銀座・東京・六本木・外苑前・表参道・原宿・代官山・池尻
メイン会場:KK 線(旧東京高速道路)数寄屋橋交差点 ~ 銀座一丁目
発起人:青木昭夫(MIRU DESIGN)/川上シュン(artless)/小池博史(NON-GRID)/永田宙郷(TIMELESS)/アストリッド・クライン(Klein Dythamarchitecture)/マーク・ダイサム(Klein Dythamarchitecture)
オフィシャルウェブサイト:https://www.designart.jp/designarttokyo2026/
INSTAGRAM:@DESIGNART_TOKYO