アートやデザインを通して“自分らしさ”を表現する流れのなかで、近年は「日本的な感性」や「ローカルの文化」にもう一度光が当たっているように感じます。
昨今、海外の人々が行き交う光景が日常になり、観光地だけでなくローカルの街や文化に惹かれて訪れる人が増えています。その中で、私たち自身が見過ごしてきた日本の文化や感性の魅力に、改めて気づかされることが多くなりました。
昨年のデザイナートで展示されていた作品たちを振り返ってみても、日本の文化や伝統にフォーカスを当てている作品たちが目立っていました。

これまでアートを個人のアイデンティティーの表現として見てきましたが、今年は“日本という背景そのもの”を通して語られる作品に惹かれます。土地の記憶や文化を受け継ぎながら、いまの時代にどう翻訳するのか。

そんな視点で作品を見ると、伝統と革新の間にある“本能的な美しさ”が見えてくるように感じます。
それは、伝統を守るだけでなく、時代に合わせてしなやかに変化しながら続いていく“生きた文化”の力なのかもしれません。

そうした“内側にある美しさ”を見つめ直すことこそ、今年のテーマ「Brave — 本能美の追求」に通じるように感じます。
DESIGNART TOKYO 2025 公式
https://www.designart.jp/designarttokyo2025/
取材・文=半井梨佳
DESIGNART TOKYO 2025 開催概要
テーマ:「Brave 〜本能美の追求〜」
会期:2025年10月31日(金)〜11月9日(日)の10日間
エリア:表参道・外苑前・原宿・渋谷・六本木・銀座・東京
現時点 出展者数:130組 / 会場数:91会場 ※入場無料(一部の展示を除き)
主催:DESIGNART TOKYO 実行委員会
発起人:青木昭夫(MIRU DESIGN)/川上シュン(artless)/小池博史(NON-GRID)/永田宙郷(TIMELESS)/アストリッド・クライン(Klein Dytham architecture)/マーク・ダイサム(Klein Dytham architecture)
オフィシャルウェブサイト: https://www.designart.jp/designarttokyo2025/
インスタグラム:https://www.instagram.com/DESIGNART_TOKYO