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一夜の復活

2024.02.05 キッチンジャーナリスト本間美紀

・新フランクフルト料理って?

閉鎖中のホテル。厨房はもちろん動いていないので、フランクフルトで評価の高い若手シェフがポップアップレストランとして一晩だけ、厨房をオープン。「新フランクフルト料理」を披露してくれると紹介があった。

シェフとは客が到着すると同時に、「野鳥の会」のようにテーブルの人数を数えていた人だった。事前に明確な人数も知らされず、メインをビーガンかミートから選んでもらう、大変な作業だと思う。

テーブルでは例年の如く、ポルトガルやハンガリー、イタリアなど決してふだんは交わらない国の人と会話をする。

この体験はいつも私に大きな刺激をくれる。常識や共感の前提をまったく当てにできない会話は、文化も私のことも全く知らない人に、何をどう話せば通じるのかを瞬時に考えさせられる。その体験が私の文章やセミナーにとって、大きなトレーニングになっていることは間違いない。

隣に座ったハンガリー人の彼は、妻と一緒に子どものために質の良い色や素材を知るためのクラフトワークやアートのための情報や商品紹介をするサイトを運営しているという。このフェアでは主に画材やアートワークのための新しいツールを探している。

なるほどそんなメディアもあるのね、と感心する。大新聞などマスメディアもいるけれど、個性的なマイクロメディアが世界中から集まる。このディナーでは日本で知ることのない、オリジナリティのあるメディアと出会える。

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