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MilanoSalone2019 05

人工知能が夢見る新しい家具の形

2019.05.17 リアルキッチン&インテリア ディレクター 宮澤明洋

●ルーティ氏、スタルク氏に続く、3番目のゲストは?

フィリップ・スタルク氏曰く、「長いデザイナー人生の中で私は様々な素晴らしいプロダクツを世に送り出してきましたが、ある時、ふと、こう思ったのです──(形や色こそ違えども)これはすべて同じものではないか──と。それはなぜか? それらはすべて私自身から生み出されているからです。同じ記憶、同じ文化、同じロジック……。もちろん私はオリジナルであろうとしましたが、それも限られたスペースの脳の中だけです。もっと言ってしまえば、同じ人間の脳の中だけの話しです。新しい世界に踏み出すためには全く新しい変化が必要なのです。しかしそれは私一人ではできません。『私でない誰か』の助けが必要です。そして私は新しいソリューションを見つけたのです」。

そう言って彼は後方のスクリーンに近づき、そこに手をかざします。
するとスクリーンが話し出します。

「NICE TO SEE YOU AGAIN PHILIPPE STARCK_ 」

どうやらその新しいソリューションとは AI だったようです。

フィリップ・スタルク氏は AI にこう問いかけます。

最小限の材料とエネルギーで私の身体を休ませるための方法を見つけてもらえないかな?」

「わかりました。やってみましょう」

スクリーン上では、なにやらイスのような「形」がモデリングされ、刻々とその姿を変えていきます。試行錯誤(?)の結果、ようやく、ある「形」に定着。そしてそれとそっくりな「リアルなイス」がステージ上でお披露目されました。

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