TABLE & TOOLS

Ingegerd Raman Collection

インゲヤード・ローマンさんのガラス器
2017.06.28 キッチンジャーナリスト 本間美紀

●重ねたシルエット、飲み物や食材があって完成するフォルム

実用としての器としてはもちろんですが、インゲヤードさんは過去にも重ねるデザインの作品をたくさん発表しています。今回も、グラス、ボウル、プレートなどのセットが綺麗に重なるシルエット。これがデザインの大きな魅力になっています。「ぴったり重なりすぎると、取り出しにくく、使いにくい。ならばあえて直径やフォルムを変えて、重ねやすく、しまいやすいことを考えました」とインゲヤードさん。

そしてとても印象的だった言葉は「グラスに余計な装飾がいらない理由」でした。インタビューの途中で、木村硝子店の薄いシンプルなグラスで冷たいお茶が出されました。その時、彼女は手を止めて、そのグラスをしみじみ眺めたのです。「グラスの表面には結露が浮かびます。この曇りがとても美しいでしょう。だから余計なデザインはいらないの」と話します。

そして照明の光を受けてグラスと飲み物の影がコースターに映ります。「光が通って影が落ちる。この光と影も、グラスの生み出すデザインなのよ」とインゲヤードさん。その言葉が彼女のピュアで繊細なデザインが目指すものを的確に伝えていると感じました。

ごく薄グラスでお茶が出され、、、インゲヤードさんの目がそこに留まりました。

新作のインゲヤード・ローマン・コレクションに飲み物を注いだり、食べ物を盛り付けると、どんな姿に変わるのでしょうか。インゲヤードさんの器を使う楽しみはそこにあるのだと思います。

温かな光を浴びると、違った印象に見えます。環境に溶け込むデザインとも言えますね。

木村硝子店 TEL:03-3834-1781 

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