《Showroom Experience》新連載・本間美紀と歩く最新ショールーム案内
キッチンとインテリアのショールームが激変しています。ヨーロッパのブランドでは海外と時間差なく新作が揃い、店内の空間デザインもインスピレーションの宝庫。ジャパンブランドや独立系のオーダーキッチンもサロンのようなショールームに進化しています。そんな最新ショールームの数々で、本間美紀が歩いて感じた「心が動いた瞬間」とは?
最新刊「リアルキッチン&インテリアSeason14」のショールーム特集の記事から、紹介します。
[TSUNASHIMA Showroom ツナシマ商事ショールーム(東京・西麻布)]
新ショールームにあったのは「私たちのための余白」
海外のビルトイン家電の専門商社、ツナシマ商事のショールーム2階が激変しました。階段を上るとガランとした広い空間が現れます。そこにあったのは「私たちユーザーのための余白」。オーブンのフェイスデザインを見るために、距離を設け、その間に「自分たちのキッチン」をイメージさせるため、何も置かない空間をつくったのです。

傾斜窓から落ちる自然光が落ち着いたムードを醸し出します。壁面にはイタリアのバラッツァ、ベルタゾーニのビルトインオーブンやブラストチラー(急速冷凍機)、大型冷蔵庫まで22台がずらりとビルトインされています。

通常はデモンストレーションキッチンなどがあってもおかしくない場所をあえて「余白」にしたのは、ビルトイン家電を検討する場合、訪れる人でキッチンのデザインやインテリアは異なるから。そのためノイズのない空間でしっかりとイメージして選んでほしい-。そうした考えからの大胆な決断でした。

遠目で見ることで、機器のフェイスのデザインや色がインテリアの中でどう見えるかがわかりやすく、キッチンのベストパートナーに出会える西麻布の隠れ家です。
ツナシマ商事は戦後から外国人住宅の設備輸入を手掛けてきました。現在はスウェーデンのアスコ、イタリアのバラッツァ、ベルタゾーニ、アメリカのバイキングの4ブランドを取り扱います。IoTワインセラーやバキュームドロワーなど世界の最新の美食技術をいち早く果敢に日本に紹介する、チャレンジ精神のあるショールームです。

2階で必見なのは、各ビルトイン家電の美しいディテール。特にイタリアブランドのベルタゾーニやバラッツァは、ガスのごとくのフォルムやつまみの部分が重厚で、本物感があり、自動車や革製品などの高級品を愛用する人の目に留まると言います。これだけ重厚ながらも、操作はトロ火など、細かな温度調節ができます。ベルタゾーニは特にゴトク中央のロゴのエンボスにブランドの誇りを感じます。

バラッツァの操作部は黒のシンプルなダイヤル式。これも「手で操作する感触」を好む人に人気があります。

そしてアメリカのバイキングはまさに、アメリカの豪邸のようなクラシックスタイル。ハンドレールや操作ダイヤルなどの、過剰なほどのデコレーションはアメリカンドリームを思わせるもので、ローストチキンやパイなど、アメリカの伝統料理をつくってみたくなります。

そして待っている、新しい美食体験
リニューアルした2階を先に紹介してしまいましたが、1階のエントランスを入ると、多様な調理機器を搭載したデモンストレーションキッチンがお出迎え。アメリカの家によくある、広いキッチンルームにいるような気分になります。

アメリカ・バイキングの超火力のガスバーナーや丸鶏が焼けるビッグオーブン、スウェーデン・アスコのスチームオーブンやバキュームドロワー、食器洗い機やランドリーまで実際に稼働できる機器が多く、試食実演イベント「ツナシマキッチンセミナー」を月1回開催し、誰でも参加できます。

特にアスコで人気なのは「バキュームドロワー」で、これは食品を真空パックして保存できる家電。キッチンキャビネットにビルトインして収めることができますが、食品の鮮度を長く保てるほか、パックしたまま低温調理もできます。

ツナシマ商事での見どころは、IH化した高級ワインセラー。ネットで世界最大のワイン情報サイトと接続するインテリジェントなワインセラーは、日本ではここでしか見られないのではないでしょうか? ビルトイン冷蔵庫冷凍庫、セラー&冷蔵庫の種類も多彩。特にアスコのブラックスチールステンレス扉の冷蔵庫は、スマートなデザインと表情が男性に人気です。

少人数ながらも、海外のビルトイン家電を愛する熱心なスタッフが、社業80年の実績をもとに国別の特徴を理解しながら、インターナショナルなキッチンの提案をしています。

●TSUNASHIMA Showroom[ツナシマ商事ショールーム]
東京都港区西麻布2-22-2
営業時間:9:00-17:30
休:日曜・祝日定休
TEL:03-6712-5721
[アクセス]表参道駅A5出口より徒歩12分
https://www.tsunashimashoji.co.jp
取材&コラム=本間美紀/Text&Report=Miki Homma
撮影=金子美由紀 Photo=Miyuki Kaneko
「リアルキッチン&インテリア」著者。インテリアの老舗専門誌の編集者を経て、独立。ライフスタイル、キッチン、インテリア、デザインなどの編集執筆、セミナー活動を手掛ける。ユーザー、ビルダー、メーカーの3方向からの取材を通した「リアルボイス」を基軸にした取材を得意とし、ハイエンド住宅の取材は300件以上。ミラノサローネ、メッセフランクフルトなど海外のインテリア見本市取材を30年近く80回以上も続け、トレンド分析にも定評がある。
こんな体験を一冊にした最新刊『リアルキッチン&インテリア Season 14〜こんなに変わったキッチンとインテリアのための最新ショールーム』。全国の書店のほか、ネット書店でお求めください!

REALKITCHEN&INTERIOR Season 14 (著:本間美紀/小学館刊 2,200円)
『REAL KITCHEN & INTERIOR Season 14
こんなに変わったキッチンとインテリアのショールームガイド』
著:本間美紀 刊行:小学館 2,200円(税込)
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