INTERIOR
Milanosalone&MDW2024 03

B&Bitalia/MAXALTO

2024.06.03 キッチン&インテリアジャーナリスト 本間美紀

・B&BItalia

「D-Studio」の1階はB&BItalia。ピエロリッソーニによる店内構成は、この数年、幾何学的なグラフィックパターンが続いています。その背景になるのは、この数年、B’&B イタリアが出す新作は、単品で個性の強いものがとても多いのです。さらにイタリアモダンの歴史を作ってきたブランドですから、過去の名作や復刻にも積極的です。

その背景となるのが、無感情なグラフィックだとリッソーニは考えたのでしょう。昨年は縦ストライプと水玉でしたが、今年は不規則なグリット。その前に色も形もさまざまな新作が並びます。

グループ会社となったルイスポールセン(デンマーク)の照明とも上手に組み合わせられ、新作のテーブル「アッシアーレ」のみずみずしい艶感が引き立てられます。天面の写り込みも優雅に感じます。

深澤直人さんの新作「オモイ」も登場。「生き物のような魅力を持つアームチェアです。その存在だけで人々に安らぎを与える動物のようです。リビングルームに静かに横たわる犬や猫のように、状況や場所に関係なく、自然にその場に溶け込みます。ダイニングルームやリビングルームだけでなく、他の部屋や玄関にもよく馴染みます」と深澤さんはコメントしています。

深澤氏はB&Bイタリアでは「パピリオ」というチェアが大ヒット作を出しましたが、これも期待できそうです。

ショールームを出る時に気づいたのが、この日本画のように美しい鳥の映像です。ガマの帆を背に白鷺が優雅に羽ばたいていくさまが、何度も繰り返され、テーブルとチェアのシルエットを引き立たせていました。日本人しか知り得なかっただろう侘び寂びは、ついにB&BItaliaにまで届いたのか、と興味深く眺めました。

この日本をモチーフにした「和」を違う表現も、今年のミラノではあちこちで見られた表現です。

B&BItalia

取材=本間美紀(キッチン&インテリアジャーナリスト)

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REALLIVING&INTERIOR 02

「リアルキッチン&インテリアseason 12」
小学館刊 著/本間美紀
https://www.shogakukan.co.jp/books/09104266

 

ミラノレポート第3回目はB&Bイタリアとマクサルトです。

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