INTERIOR
Milanosalone&MDW2024 03

B&Bitalia/MAXALTO

2024.06.03 キッチン&インテリアジャーナリスト 本間美紀

[ ミラノサローネ国際家具見本市/ミラノデザインウィークレポート03]

イタリアの家具ブランドの総合力はどんどん広がっているようです。世界各地に建つ建築を舞台に、内装はキッチンから収納、建具まですべて家具ブランドが請け負います、というものが増えています。今回、家具を見ていて、インテリア・アーキテクチュアという言葉が何度も頭をよぎりました。日本で家づくりをされる方が、必ず検討するだろうブランドの、トピックスをしばらく続けていきます。

・MAXALTO

マクサルトはデュリーニ通りにある「D-Studio」での展示でした。B&Bイタリアの地階で展開しています。昨年からブランドコンセプトを見直し、よりミニマルで洗練されたブランドに変貌しました。パリの大戦間期のスタイルと雰囲気を知的に表現しています。

ペーパーでの折戸を活用した空間が広がっています。2023年に、ミラノサローネ国際家具見本市の会場内で展開していた空間構成です。

テーマは「アート・オブ・ザ・ユニーク」、唯一無二の芸術的表現としていますが、新作をたくさん出すというよりは、新しいテクスチャーを丁寧に増やしていくというスタンスを感じました。人物をつかった象徴的なキービジュアルが斬新に感じました。カタログから店舗まで統一されたグラフィックは、もちろんアートディレクター、アントニオ・チッテリオが指揮しています。

彼女の足元にある水面は、水ではありません。スチールにさざなみのような凹凸を浮き立たせた繊細な表現です。「ソレイデシリーズ」というコーヒーテーブルやコンソールに生かされています。

マクサルトのスタンスとしては、家具を発表して売るというよりも、来客ががインテリアデザイナーと家具のレイアウトや部屋の設定に取り組む「アトリエ」と呼ばれる専用エリアで、対面式の交流を重視しているそうです。

デザインはロングライフなもので、オリジナルの生地、仕上げでカスタマイズすることを重視しています。「贅沢な家具や空間を一緒に作ることは、信頼、握手、そして個人的な触れ合いが必要な触覚的で感覚的な体験です」とマクサルトの広報担当者は説明します。

地下フロアにはそのための個別のコンサルティングルームが用意され、世界の来客を迎えています。

MAXALTO

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