・ソファで照明で、光を操るこれからのカッシーナ
こちらのソファは座ることは、恐れ多くてできません!ガエターノ・ペッシェの「ノットゥルノ・ア・ニューヨーク」ソファが50台限定で登場。夕暮れ時のニューヨークのスカイラインを再現するように配置されています。
名作家具として何度もデザイン史に出てくるソファですが、今回特に目を引いたのは限定モデルのために特別にデザインされた3D効果のあるファブリックが織りなす立体感でした。静かに深く光を放つような質感です。
また2023年から始まったカッシーナライティングコレクションも好調です。ただ本当に照明は、置かれるシーンで印象が変わり、日本に届く写真や情報だけでは、その進化を発揮できないことも。「エイティ」は、この壁での光が本当に素晴らしいと思いました。これもミラノのフラッグシップストアだから見られるワンシーンかもしれません。
カッシーナの大きな傾向としては、「アクセサリー」の拡充でしょう。フレグランスやアート、オブジェなど、カッシーナの家具の世界観にワンポイントを加える製品は、毎年増え続けています。今年はワイングラスまで出ていましたが、ゆがんだシャボン玉のような不思議なフォルムで、ワインを飲んだ時にどう感じるんだろうと、豊かな想像に引き込まれます。
一つ一つの商品がとても個性的です。これを使うとどうなるの? 自分には全くない発想に思わずうなってしまう。プロダクトから受ける刺激がそのまま、自分への問いとなる。そんな瞬間をカッシーナでは何度も体験しました。
取材=本間美紀(キッチン&インテリアジャーナリスト)
MILANOREPORT02 モルテーニとフレックスフォルム
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「リアルキッチン&インテリアseason 12」
小学館刊 著/本間美紀
https://www.shogakukan.co.jp/books/09104266
ミラノレポート第2回目はモルテーニとフレックスフォルムです。