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Our Home, A Private Resort
ホテルライクハウスの知的なキッチン
イタリアの家具ブランドの総合力はどんどん広がっているようです。世界各地に建つ建築を舞台に、内装はキッチンから収納、建具まですべて家具ブランドが請け負います、というものが増えています。今回、家具を見ていて、インテリア・アーキテクチュアという言葉が何度も頭をよぎりました。日本で家づくりをされる方が、必ず検討するだろうブランドの、トピックスをしばらく続けていきます。
・CASSINA
カッシーナといえばもちろん、日本で最も有名なイタリア家具です。
パトリシア・ウルキオラのアートディレクションも00年目に入りました。「カッシーナパースペクティブ」というビジョンを打ち出し、世界的な名作も抱える中、新作も出していき、コンテンポラリー(同時代)なトレンドとも足並みを合わせ、次世代にも認知されていく。書いているだけでも大変な、この命題をカッシーナは背負っています。
その解答としてこの数年続けているのが、名作の再解釈と新作のコラボレーション。ここにパトリシア・ウルキオラらしい、大胆なカラーパレットが展開されます。カルロ・スカルパの「コルナルオ」は筒状の木材フレームで組まれたソファですが、この接合部はデザインされた当時、大変難しかったそうで、特別なロープで結ぶように接合されています。
ここにラッカー仕上げのビビットカラーを持ってくるのがパトリシア・ウルキオラらしさです。この色が過去と今をつないでいるような気がします。