KITCHEN
INTERIOR KITCHEN32

20年使い継ぐドイツキッチンの物語

2020.08.31 キッチンジャーナリスト 本間美紀

REAL KITCHEN & INTERIOR』では、これまでにたくさんの実例を紹介してきました。単行本『人生を変えるINTERIOR  KITCHENはこれまでの取材を集大成した1冊。家やキッチンの大切さについて考える人も多い今、連載形式でこの単行本の内容を本サイトにて無料公開いたします。32回目。夢をかなえたインテリアキッチンのストーリーです。

My REAL KITCHEN13:Timeless kitchen made in Germany
Mayumi’s Kitchen

●20年使い継ぐドイツキッチンの物語

家を建て直すことになって、真由美さんの心は揺れていました。

20年前に建てたときから使っているキッチンは、ドイツ・ジーマティック社のキッチン。当時人気だったビビッドカラーの黄色のキッチンはキャビネットも頑丈。天然石のワークトップもまだ輝きを失いません。一方で、いまはシックでモダンなインテリアに心惹かれていることもあり、オーダーメイドで一新するのもいいかも……と迷いました。

来客が多いことを考え、広いL型のキッチンに。黒いワークトップは〝デクトン〟という強化ガラスの特性を持つ手触りのよい素材を選んでいます。キッチン壁面にはハンギングレールシステムで吊られたペーパーホルダーやスパイスラックを。吊るシステムは下が空くので調理スペースが広く使えます。

システムキッチンという言葉は、ドイツで生まれました。それは表面的な組み合わせではなく、何十年も使い続けることを本気で考えた〝システム〟なのです。キャビネットが頑丈で歪まないので、扉だけを最新のデザインに変えることもできます。まゆみさんの決断は、使い続けて信頼のあったジーマティックをそのまま使うことでした。ただし新しいキッチンと以前のキッチンを組み合わせるという新旧混合のプランです。

──迷いながら同じブランドを使い続けようと決めた理由はなんですか?

「やっぱり毎日の使用感ですよね。20年使っても、引き出しは一切がたつきませんし、収納もしやすい。ドイツ製品の堅牢さが使うたびに伝わって、愛着が残りました」

 

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