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【本間美紀のコラム 2022/06/20】
一杯のワインが差し出されるとき、それは「ちょっとひと休みしなさい」「気持ちがキョロキョロしているよ」という神からの合図。私はそう思うことにしている。
仕事柄、レセプションや内覧会、カクテルに足を運ぶ。そんな時は遠慮なくワインをいただくことにしている。もちろん、そもそもワインが好きだからという気持ちが大きいけれど。
仕事の荷物を抱えながらワインを飲むのは、ちょっとカッコ悪いし骨が折れるので、椅子に腰掛けたり、荷物を置いて、落ち着くことにしている。そしてふっと周りを見ると、見えなかった景色が見えたり、意外な知り合いの顔を見つけることがある。
さらにいいのはワイングラスを置いて、ちゃんと写真を撮れたりすると、その時はそんなゆとりが自分にあったのだと、後からわかる。
今年のミラノサローネ取材中で秀逸だったワインの写真はこの2枚。
もちろんもっとたくさんのワインをいろんな場所で飲んでいるけれど、写真はあまり撮れてない。ちなみにどのワインも美味しくて、翌日全く残らない。質の良さを感じた。
東京でもミラノでもどこでも、スマートフォンの中に美しいワイングラスの写真を見つけると、ホッとする。そこにきちんと気持ちを整えて、何かを見ようとしている自分を見つけるから。
一杯のワインはそんな自分を映す鏡。
コラム=本間美紀(キッチン&インテリアジャーナリスト)Text=Miki Homma(journalist)
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