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キッチンは家づくりと同時進行で、の理由

2016.08.12 本間美紀

●デザインキッチンと建築の関係って?

本間:オーダーメイドや輸入キッチンなど、デザインキッチンはインテリアと一体になることがメリットですが、設計者としてはどんなふうに考えていますか?

深澤:収納や機能などの仕様は依頼主とキッチンプランナーが決めます。設計者が考えることは、やはり建築の中の見え方ですね。下の写真のようにリビングから、美しい窓と階段、そして無垢材のカウンターを持つオープンキッチン。全く違う要素が、美しい眺めになる。実は細かなところでラインを揃えたり、素材のバランスを考えたり。

本間:なるほどです!

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階段室、吹き抜け、オープンキッチンが美しい眺めになるのは、建築家がきちんと考えているから。ただ配置すればいいのではなく、ラインを揃えて素材の組み合わせを見る。これがプロの仕事!(設計:テラジマアーキクテクツ)

本間:ビルトインの家電はインテリア性の高いキッチンでとても採用が増えています。取材の現場でそう感じます。キッチンのキャビネットにすっきりと収まりますので、空間が雑然としません。振り向いたらすぐに目の高さにオーブンがある、シンクの脇に食器洗い機があるなど、家事の動線も短くなりますね。

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ドイツ・ミーレ社のビルトインオーブン(左壁)、食器洗い機(右下)、国産の高機能ガスコンロ(奥)を収めたキッチン。(設計:テラジマアーキクテクツ)

深澤:キッチンプランナーの力は依頼主の要望を的確に、そう言った設備を適した位置に落とし込んでいくことです。実地設計が固まってしまうと、キッチンの位置変更はとても難しくなります。ビルトインオーブン、食器洗い機、最近人気のワインセラーやアイスディスペンサーのついた大きな冷蔵庫も、配線配管が必要なので、普通の家電や冷蔵庫みたいに動かせない。

2 のコピー
ワインセラーのついた大きな冷蔵庫はかっこいい。大型なのでスペースを確保し、アイスディスペンサー用の給排水が必要なので、早めに計画を。(設計:テラジマアーキクテクツ)

本間:デザインキッチンって家の中に小さな建築をつくっているみたいですね。

深澤:本当にそうでですよ。その時もキッチンプランナーと建築家のコミュニケーションが大事で、床とキッチン本体の素材のバランス、収まり、すべてを含め、センス良くかつ安全に仕上げていくことができます。キッチンと家づくりを同時進行で進めると、本当にメリットばかりです。

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