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Our Home, A Private Resort
ホテルライクハウスの知的なキッチン
・越えるべきハードルがほしい
そんなことを考えているタイミングで、3年目に入ろうというプロジェクト仕事のチームでの会食が開かれた。
住宅街の中の静かなレストラン。ベテランシェフが細心の注意を払って料理した、重厚な王道フレンチを味わいながら、プロジェクトの発案者であるトップの方とお話をした。
長期的な視野でまだまだ続けたいと評価をいただいたが、私は具体的な成果や、都度都度の小ゴールの設定がほしいとお願いしてみた。ハードル競技みたいだけれど。
そのお仕事、楽しいけど、ちょいちょいハードルがほしい。そうじゃないと跳べない!と思っていた。
そしたら彼は破顔一笑。
「そんなことを本間さんは考える必要はないよ。私が一番大切に考えていることは、まず本間さんに自由にやってもらうことなんだ。それでわが社に届く自由な風、新しい発想をどう生かせるかは、うちの社内のチームが考えること。そうじゃなかったら、本間さんを起用している意味がない。本間さんは自由じゃなくっちゃ」
本当にコメントはそれだけだった。
たった一つの大きなハードルだけが残った。
明日からまた氷に乗ろう。
コラム=本間美紀(キッチン&インテリアジャーナリスト)
Text=Miki Homma(journalist)
(なんだか飲んだり食べたりしている写真ばかりですが、校了中の写真はほんと、撮る余裕がありませんでした、、、、)
●前回のコラム「その一言を聞き逃さない」はこちら