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DESIGNART TOKYO 2024 #02

デザイナートの歩き方 02

2024.10.31

「リアルリビング&インテリア」がメディアパートナーとして参加しているデザイン&アートフェスティバルDESIGNART TOKYO 2024(デザイナート トーキョー2024) のプレスバスツアーに参加してきました。

その中でも印象的だったプレゼンテーションをピックアップします。その第2回目です。

●伝統と技術が紡ぐ新たなアートの領域 – ペルシャ絨毯と刺繍で描く日本美術

LIONRUGS × KAORUKO

ギャラリーショップ「ライオンラグス青山」には、現代アーティストKAORUKOさんとペルシャ絨毯のコラボレーション作品が展示されていました。入り口を入るとすぐ、彼女の繊細な表現がペルシャ絨毯に見事に織り込まれた作品が目に飛び込んできて、その存在感に圧倒されました。

数千年の歴史をもつペルシャ絨毯は、現在もイラン各地でなんと手織りで生産されています。絨毯に描かれる模様にも一つ一つ意味があり、伝統工芸として大切に受け継がれてきました。そんなペルシャの伝統と、KAORUKOさんの描くフェミニンなジャポニズムの世界が見事に融合しています。

彼女の作品には、日本の着物に古くから描かれる伝統的な紋様が取り入れられ、独自のアイデンティティが表現されていました。

特に驚いたのは、KAORUKOさんの作品の特徴である大胆で鮮やかな色使いと、繊細な細密画のタッチ、金箔同士の重なりの陰影ですらも手織りの絨毯で再現されていることです。

ただ単に”赤”という色だけでも200色もの展開があるそうで、手織りの工芸品がこんなにも繊細なファインアートの表現を再現できるのかと驚きました。KAORUKOさんの絵を忠実に再現できるよう、設計やデザインに1年、職人が織るまでに1年かかっているそうです。まるで絨毯に絵画をそのまま描いたようで、そこには新たな価値が感じられました。

日本の伝統とペルシャの伝統が見事に調和したこのアート作品は、工芸とファインアートの垣根を超えた新しい表現として、とても魅力的であり、またペルシャ絨毯の創造性と本物の価値を再確認しました。

 

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