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Our Home, A Private Resort
ホテルライクハウスの知的なキッチン
イタリアの高級ブランド113社で構成されるアルタガンマ財団。彼らが開催した「ネクストデザインパースペクティブ」は2022年10月に第3回目を開催。世界のデザイン、芸術家、研究者、社会活動家などが参加し、テーマに合わせて自身の活動を発表するというシンポジウムでした。そんなデザインの未来を描く会議に招かれて、イタリア・ミラノに飛んできました。
MUTEC(ローザンヌ応用芸術美術館)のキュレーターに着任したベアトリス・レアンツァ氏が指揮を執り、3つのジャンルを対談形式で開催しました。
その中かから私が面白いと思ったトピックスをいくつか紹介します。
まず最初に登場したのがイタリア人の造形作家クイア氏です。「AIはツールではなく、アートを生み出すときの協力者と僕は考えている」と彼は捉えています。
自然や風景をテクノロジーレンズで捉えた超精細なデータを活用して描くグラフィックや、ロボットアームをアルゴリズム駆動して生み出す彫刻などの作品についてはなしました。
私も技術的な詳細はうまく理解できませんでしたが、高細度のピクセルが油絵や水彩画の様な表現方法となり、伝統的な風景画の再解釈となる「ストームス」というプロジェクトです。
「AIの技術は単なる工業技術ではなく、人間のエモーションを反映させやすい」と話します。だからロボットアームで彫刻を作り上げることができるのだという発想は、私は考えたこともなかったことでした。カヨラ氏によるロボットアームは、カラーラの大理石を過去の芸術家たちの職人技を計算したアルゴリズムで駆動させているのです。
次は素材の新しい可能性です。