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Days & Stories

何でもない時間を過ごす

2022.12.23 キッチンジャーナリスト 本間美紀

【本間美紀のコラム 2022/12/23】

「リアルキッチン&インテリア」はなぜ11月〜12月にかけて出版されるのか。
それはこの季節が、やはり家族のこと、家のこと、子どもたちの来年のことを考える機会が増える時期だからです。実家に戻れば、さまざまな話も出る。

その時にやはり「どこに住むか」という話も持ち上がり、3月の引っ越しシーズンや4月の新生活に思いを寄せ始める季節がいま。
そんな時期から読者に長く寄り添いたいと、「リアルキッチン&インテリア」は冬に出版している。

本を校了し、無事に印刷され、本が読者や取材先、スポンサーの手に渡り、喜んでもらえて、初めて私もホッとする。それまではどこか緊張が抜けない。
12月15日を1週間も過ぎた今ぐらいから、少しずつ本当の意味でゆるゆると気持ちがほぐれてくる。

「お疲れ様!」と最近では会食も増えたのだけど、実は本当に癒された会があった。
それは赤坂見附の高級バスブランドショールーム「HIDEO(ハイデオ)」のクリスマスイベント。

ガヤガヤと人が集まるイベントではない。予約制でその時間に入れるのはほんの数組。だけどとても広い美しい空間で、ただぼんやりと過ごすだけでいい。ちょっとした飲み物とパネトーネ(クリスマス向けの発酵ケーキ)が差し出される。ありがたくいただく。

ポルトロナ・フラウのソファに座ったり、その張りを確かめたり。

ロロ・ピアーナ・インテリアのスローに「リアルキッチン&インテリア」を並べて、ハイエンドインテリアの中で遜色ないものに仕上がっているだろうかと、眺めてみたり。なんだか気ままに過ごしてしまう。

そんな中、美しいコーラスが響いてきた。ビートルズをアレンジしたヴォーカルのレコードがかかっていた。レコードの音がとても美しい。

スピーカーをよく知る人の解説によると、リンという非常に高価なスピーカーなのだという。そこで「的確に音像を結ぶ位置に座ってごらん」と言われて聴いた音は、まるで歌っている人がそこに立っているようで、右に左に視線が思わず動いてしまう。

そこには誰もいないのに。

そんな何でもない時間をくれる。
静かで大人のクリスマスイベントを、HIDEOのショールーム空間でじっくりと味わった。みなさまもどうぞ、冬の長い夜を「リアルキッチン&インテリア」をおともにお過ごしくださいね。

HIDEOについてはこちらから

コラム=本間美紀(キッチン&インテリアジャーナリスト)
Text=Miki Homma(journalist)

「リアルリビング&インテリア」(9月15日発売)も引き続きよろしくおねがいします!

●前回のコラム「リアルキッチン校了ーそして考えること」はこちら
●次回のコラムはこちら

【本間美紀のコラム/バックナンバーはこちら】

HIDEO ショールーム
https://hideo.design

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