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Event report02

一息ついてものを見よう

2018.07.20 キッチンジャーナリスト 本間美紀

キッチンジャーナリストの本間美紀です。6月に開催しました「デザインの街ミラノで見る世界最高のキッチン&インテリア」にご参加いただき、ありがとうございました(主催/小学館カルチャーライブ)。

そのレポートコラムの2回目です。参加者の皆様の声を、つなげていきたいと思います。

●一息つく、遠目で見る

日本であってもミラノサローネであっても、ショールームや展示会を見る時、どんなスタンスで回っていますか? パッと目に付いたものに飛びついてしまう。空間を見ないでものだけを見てしまう。なんだか訳も分からず回るだけになってしまう(スタンプラリー状態!?)。

私はここ数年、心を研ぎ澄まし、感度を高めて回ることにしています。そして1回目のコラムでも書いた「人と話す」ことを重視しています。するとその裏にあるストーリーが見えてくる。本質は人の言葉の中にあります。でもなかなかできない!そんな時に心がけたいのは、ショールームや会場に入った時に、ものに突進していかず、一息ついて、その空間や展示のコンプントを聞く心構えを作ることです。そしてそこで何がプレゼンテーションされているのか、感じることです。

例えばドイツのキッチンのポーゲンポール。新作がたくさんあるわけでもなく、派手なキッチンがあるわけではない、「イマイチだった」という人さえいました。本当にそうでしょうか? ポーゲンポールは今年、伝え方を変えていたのです。入ってすぐに映画館のような場所があり、キッチンは一つも置かれていません。それはなぜなのか。座って一息ついて空間を眺め、そしてその理由を尋ねることで、新しいキッチンの売り方が見えてきました。詳細は割愛しますが、その斬新なアイディアはこちらでお読みくださいね→インスピレーションキッチン始まる!

ポーゲンポールのミラノショールームでは、キッチンのない空間にこそ、同社の方針が表現されていました。

また座ってその目線からショールームやキッチンを見ることで、違った景色が見える。するとなぜキッチンはこのデザインなのか、素材なのか、ものに突進して細かい収まりを見ているだけでは、本質はつかめません。

そんなお話もさせていただきましたが、この「一息ついて遠目で見る」というエピソードには意外なほど、多くの人から反響がありました。

「お店に入って一呼吸はなるほどです」
「企業哲学やデザインの文脈を理解すること→アートを見る時と同じ態度だと思いました」
「座って一息ついて遠目で見るが印象的でした」
「いきなりものに突進しない、ひと呼吸置く」
「プロダクトの展示以外でコンセプト、ストーリーを伝える力があること」
「ソファや椅子に座った視線の高さから見るキッチンという視点」
「キッチンを引いた位置から眺める、座って見える風景」
「座って一息ついたときに見えるキッチンの風景」
「エモーション、インスピレーション、クリエーション」
「ショールームではお客様に何が見えているのか、ということ。見せたいコトと感じてもらうコト」
「ものを見るのは製品だけではない、一呼吸おけ!」

次はいろいろな意見を紹介します。

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