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REAL KITCHEN & INTERIOR

リアルキッチンができるまで【後編】

2018.03.16 田中 裕美子 (REAL KITCHEN & INTERIOR PR)

●一番いいキッチンを読者に見せよう

「素敵なキッチンは夢じゃない」というテーマはむしろ、キッチンに生活上の実用性を求める女性誌系の編集者には全く認められない企画でした。「きれいなキッチンに住んでいる人は現実にいない、いても料理なんかしてない」と。私はずっとインテリアの取材で育ってきたので、インテリアとキッチンを楽しんでいる人が本当に増えたなあ、と取材の現場で実感していたのです。そんな先入観をマスコミが持っている間にも、一般の人がどんどん素敵なキッチンを実現している。この企画を唯一、認めてくれたのが、小学館の男性編集者の小林慎一郎さんでした。グラビア誌から週刊誌、ジャズのシリーズ本、医療本、なんでも手かげているベテラン編集者でしたが、女性誌的な世界とは一切無縁だったのが良かったのかもしれません。

リアルキッチンのOGも続々登場。最新刊(右)で登場にこのキッチンのユーザーは、シーズン3(左)のこの方のキッチンを参考にしたと取材で話してくれました(本間)

小林さん本人もお洒落で感度が高くて、「とにかく一番いいものを読者に見せよう」と言われました。他の媒体では日本では売っていないキッチンは記事にしてはダメ、という縛りがありましたが、小林さんのこの考えに救われました。そういう意味では、リアルキッチンは今までのスタンダードを破ってきた本でもあるんです。日本で買えないから、と他の本では掲載できなかった世界の素敵なキッチンの写真をどんどん紹介しました。すると読者がちゃんと「夢を見てくれるよう」になった。夢があれば、実現しようという力を思いが生まれます。

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