●デザイナーズ洗面を切り開いたブランド
3月にドイツで行われたバスルーム見本市のニュースが続きます。ドイツのバスルームブランドでは最大手の一つがデュラビットです。洗面ボウルやバスタブ、トイレなど、日本でもデザイン住宅のスタンダードとなっているので、手を洗うときにそのロゴを見ることも多いでしょう。今年は創業200年を迎え、盛り上がっていたブランドの一つです。
フィリップ・スタルクやジーガーデザインなどデザインのあるバスルームを早くから切り開いたブランドですが、大きなニュースの一つがデンマークの女性デザイナー、セシリエ・マンツさんとの新作「LUV(ルフ)」の発表。デュラビットが女性デザイナーと仕事をするのは初めてだそうです。
一体どんなコンセプトの商品なのでしょうか。会場でセシリエ・マンツさんに会うことができましたので、聞いてみました。
−デュラビットとのプロジェクトはいつから進んでいたのですか?
「デュラビットからは3年前に声がかかりました。女性のデザイナーとの仕事を望んでいました。私も自宅でデュラビット製品を使っていましたし、デンマークには大手のバスルームメーカーがないので、喜んでお引き受けしました」
「デュラビットはバスやトイレ、いろいろなアイテムを持っていますが、今回は鏡の前で行うことーグルーミング、身支度をテーマにしました。洗面ボウルという、ものから考えるのではなく「何をしたいか」から、発想したんです。」同社広報のジュリア・カーンさんも、「彼女の繊細なスカンジナビアンデザインのアプローチが、デュラビットの哲学にフィットしました」とマンツさんを起用した理由を説明します。
ー商品名の「LUV(ルフ)」はどういう意味ですか?
「デンマーク語で帆船の意味です。デンマークは港の多い国で、いつも船が出入りしています。港に浮かぶ船の形にも見えるでしょう? 洗面台は一日を始める場所。テーブルの上に水で満たされたボウルの前に立つ、そんなイメージが浮かびました」