●ウェルビーイングが大切
容子さんも仕事や家事で忙しい日も「キッチンに立っていると、窓から海が見えるように設計しました。空も海もいろんな色が見えて、家事がまったく苦になりません」
キッチンと窓の間のダイニングのテーブルも、キッチンハウス でオーダー。キッチンと同じエバルトというメラミン素材でつくっています。汚れや油に強い樹脂素材で、高度な印刷技術でにじんだようなグレーや流れるような木目を表現しています。ワインや調味料をこぼしても、しみこみません。
「子どもたちがまだ小さくて、テーブルでお絵描きしていると、クレヨンがはみ出しちゃたり、工作中に糊がついちゃったり。でもこの素材は拭くだけで綺麗になるから、助かってます」と容子さん。テーブルのサイズをキッチンプランと同時進行で決められたのもよかったそうです。
背もたれの低いソファは、ダイニングやキッチンにいる家族と会話がつながるようにと、セミオーダーした国産のブランド。「ソファに座って外の海を眺めるのも大好きなんです」
ご主人がこの家のテーマを「ウェルビーイングであること」と話してくれました。まず家族が自然の中で心地よく暮らせること。時間があれば海で波に乗ったり、散歩やランをしたり。リビングにもトレーニングのアイテムがそろいます。「キッチンものその延長にあり、豪華なものよりも体にいい料理をつくります。食が体をつくっていますから」。
ウェルビーイングであること。都心から離れた自然。暮らしながら働く。容子さんのキッチンからは新しい暮らしのキーワードがいくつも見えたのでした。
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取材・文/本間美紀 早稲田大学第一文学部卒業後、インテリアの専門誌「室内」編集部に入社。独立後はインテリア視点からのキッチン、家具、住まい、家電、キッチンツールまで、デザインのある暮らしの取材を得意とし、建築家住宅の取材は300件以上、ユーザーとメーカー、両サイドからのインタビューを重視し、ドイツ、イタリア、北欧など海外取材も多く、セミナー活動も増えている。著書に「人生を変えるインテリアキッチン」「リアルキッチン&インテリア」(以上小学館)、「デザインキッチンの新しい選び方」(学芸出版社)
text=Miki Homma(Journalist)
撮影/岡村享則
[My kitchenhouse] はキッチンハウスとリアルキッチン&インテリアがお届けする、リアルなキッチンの今を伝える連載です。
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