KITCHEN
German design award
吉岡徳仁さんの透明キッチン
2017.02.21
本間美紀
●専用のパーツまで開発した透明キッチン
実はちょうど日本でもつい先月の1月20日に「フィネス」が発売されたばかり。発表されたのは2年近く前ですが、それまでずっと実用化に向けて検証を重ねてきました。発表当時に吉岡さんに聞いたお話では「キッチンは住む人の個性を見せるショーケースであること。ありのままを受け入れる箱」というコメントをいただいています。
同社広報の渡辺紗耶子さんに試作から実用までの経過を聞いてみました。
「プロトタイプからデザインは変わっていませんが、構造の改良を重ねています。透明ということはつまり、構造体も全て見え、隠れているべき部品などがみえてしまうということ。ですが、フィネスは部品など裏の部分はほとんど見えず、どの角度から見ても美しい姿になっています。ワークトップから引き出し、構造体からネジに至るまでほぼ全て専用の部材で構成されています。
新規部材で構成されたキッチンは、新たなノウハウが必要になり、進行中は数多くの設計変更、部品を製作する職人との調整を重ねました。サイズもW2400-4800㎜の間で、10パターンから選択できるようになりました」
すでに注文が入っている件についても「ビジュアルの美しさに惹かれて、お客様の一目惚れによって指定をされるケースばかりです。また、お客様をお招きすることの多い方や、別荘という非日常の空間を計画されている方が多いです」と話してくれました。
次はドイツのアワード事情について触れます。