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Serene Space, Delicate Details
静けさの中にさりげなく自分らしさを
●神からの贈り物だけで仕立てる
ミノッティクチーネの特徴は、使ってない時は、全く静謐なものに見える。そのミニマルなデザインでしょう。
新作の「アニマ」は、黒大理石のブラックナイトを使ったキッチン。これは艶やかな石目がとても繊細で、大きな面を取るのが難しい石。キッチンを3つのキューブ(立方体)に分けることで、石のつなぎ目を出さずに石の美しさを留めることに成功したそうです。
「イタリアは床、壁、石を使った建築空間が多い。そこに溶け込むようにするために、繊細な注意を払っている。ただ石を使えばいいというわけではないんです」と同社社長のアルベルト・ミノッティ氏は語ります。
ミノッティ氏は「石という素材の限界に挑戦しながらデザインしている。どれほど大きな面を継ぎ目なしで取れるか。それは石の性質によって違うのです。石以外では木目の細かい無垢の木をつかいます」
「多くのキッチンが、メラミン板や塗装など工業的な素材で作られているのに対し、私たちは天然の素材しか使うことはありません。なので一つとして同じ柄のキッチンがない。自然という神からの贈り物だけを使っているのです」。
石をわずか19ミリのパネルに切り出して、中のキャビネットと一体化させる。中のボックスは木やステンレス。収縮率が石と違うので、このように天然石を平たい面にはりだして使うのは大変な技術を要します。