INTERIOR
ambiente2019 01

ドイツの見本市がインドで盛り上がる!

2019.02.18 キッチンジャーナリスト 本間美紀

●インド発のデザインを重視

インドには金属や木、竹、織物、染色など工芸の種類によって産地が様々なに分かれ、他国に類を見ないほど多様性がある国。今回は会場の各所でそんなハンドクラフト+モダンデザインの展示が行われました。インド発のデザインやメッセージが重要視されていることに大きな意味があります。下の写真はバンガロール在住のサンディープ・サンガルさんによる「スターリーナイトカフェ」。

「インドの家にはリビングというものはない。村の中心に竹で編んだ照明を吊るして、人々が集まれる場所があり、夕食後はそこで涼んだり、集まって喋ったりする。路上が家の延長のようなんです。その世界をインドの重要なクラフト竹だけで表現した」と話します。

またインドの教育家スニル・セティさんは、インドの伝統的な工芸品と現代の製品をセレクトし、太古に商取引が行われたキャラバンテントを模した空間で、展示しました。

若手のデザイナーを集めた「タレント」ゾーンに出展していたルーシャード・シュロフさんの作品。インドの天然石の中を彫って電球状にした照明。

アンビエンテは工業製品を中心とした見本市ですが、行き過ぎたインダストリアルデザインの時代を経て、工芸が工業を凌ぐ日がまた来るのではないか、とインドのデザインを見ていると感じました。折しもドイツはバウハウス100周年に沸く一年。装飾主義を脱して世界を変えた工業デザインの革命と、ハンドクラフトこそ未来と声を上げるインドが、期せずしてこのタイミングで会したのです。

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