イタリア発おしゃれキッチン
素材感や色に対するイタリア人らしい、おしゃれな感覚が伝わってくる──そんなブランドがユーロモビル。イタリアにはキッチンのメーカーが星の数ほどある。その中でも中堅どころのハイミドルランクの位置づけ。だからこそ、日本でもセンスよく、入手しやすいブランドとして成功している。得意とするのはダイニング家具やリビング家具と一体化したキッチン。キッチンカウンターがテーブルと交差したり、段差付きでつながったり、キッチンだけを買うのではなく、テーブルや収納もつなげて部屋を作るという感覚だ。扉の色柄は549種あるが、そのうちの大半はグレイやベージュ、ホワイトといったニュートラルカラーのトーン違いで、同じ色みでも、マットな質感から輝きのあるもので、印象が変わる。「平行、垂直、水平」なラインを基調にしたキッチンデザインがベースで、649種の中から、たとえばまったく色や柄の違う扉を、吊り戸棚と下のキャビネットで変えても、うまくフィットする仕組みが完成している。幅1m以上もある大きな扉を平行にスライドさせる壁面収納やキッチンとリビングの間に間仕切りになる収納を作ることも可能。最新作では近未来的な角丸の扉材も登場した。扉のハンドルも37種あり、キャビネット本体の色やサイズを掛け合わせると、数万通りのデザインが可能だという。創業は1972年。システム収納家具のザルフ、ソファのデジレがグループ企業で、日本でも収納やソファまでコーディネートしてプランニングを頼める。 日本にある代表的なショールーム(東京、大阪、名古屋)はそんなイタリア本社の世界観そのままの空間展示を試み、こまめにリニューアルもしている。カタログの美しい写真そのままの現物が日本で見られるのには、感激する。