Collumn
Days & Stories

舟と暮らす家と街

2023.08.22 キッチンジャーナリスト 本間美紀

⚫︎北前船でにぎわった街の記憶をとどめて

そんな街を愛する人たちのための「寄り合い所」(本当はもっと違うちゃんとした名称です笑)を建築家の木下昌大さんが作ったという。今回の目的はその内覧とインタビュー。景観保護のため、取り壊しできない民家だった建物を、公共の場に作り変えるというプロジェクト。簡単なようで大変だったと思う。

けれども素朴で素材の表情が新旧響きあう、自由なスペースや「本の蔵」。本格的な稼働は9月からだというが、特別に内見させてもらって幸運だった。

かつては北前船の拠点として賑わい、嵐の時は他所からの船が休まる湾であり、文化や物の交流が盛んだった伊根町。大きな鯨も来たという。

そんなにぎわいを描いた襖絵を木下さんは建物の記憶として残していた。

またこの街に来れるかな。

海外もたくさん行っている年だけれど、今年はこの街がきっと一番心に残る。

そう思って海の街を後にした。

コラム=本間美紀(キッチン&インテリアジャーナリスト)


Text=Miki Homma(journalist)

●前回のコラム「トークショー無事に終了しましたはこちら
●次回のコラム「    」はこちら

【本間美紀のコラム/バックナンバーはこちら】

 

 

最新号「リアルキッチン&インテリア」season11

 

PREV 1 2 3

Recommend

TOP