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REALKITCHEN&INTERIOR
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キッチンジャーナリストの本間美紀です。実は夏に珍しく映画の試写をしてきました。タイトルは「ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ」、建築とインテリアの世界を舞台にした極上の映画です。10月14日から公開中の映画です。珍しいと思うでしょうが、私は映画を見るのが苦手なんですよ(じーっと暗い中で長時間見るという行為が)。ですがこれは久々に興味をそそられて、いってまいりました。インテリアの専門誌の編集部時代は、何度この方々の家具について記事をつくったでしょうか…という感じですから。
映画の記事を書いたことがないので、どこまでがネタバレかはわかりませんが、私の視点のでの感想は以下の通りです。
●美しい建築を舞台にした複雑な人物ドラマ
すでに大御所だったスイスの建築家ル・コルビジェとアイルランドのアイリーン・グレイ(彼女は建築家というより家具やインテリアデザインの人かと)。今なお独特な力関係をもつ建築業界とインテリア業界(箱と中身)のバランスが、当時の有名人物を通して描かれた群像劇です。
舞台となっているのは1920年代のヨーロッパ。中世以降のベルサイユ宮殿のようなデコラティブな建築家が良しとされる時代から、戦争を通して過去の住まいやインテリアの価値観が崩れ、デザインが近代から現代に移り変わる過渡期の物語です。今でいうミニマリズムデザインを率いた二人、当時は様々な評価があったでしょう。どちらも大御所と言われているのは今だからこそ。デザインというものを評価される苦労も、ストーリーには描かれています。