KITCHEN
INTERIOR KITCHEN09

09 人生を変えるインテリアキッチン

2020.05.01 キッチンジャーナリスト 本間美紀

●完璧なキッチンなんてない、みんな「育てて」いる

そもそも、水と火があり、加熱ができる。
まな板や鍋があり、食材を切ったり、味つけができればそこがキッチン。
料理が出来上がり、お皿が並び、人が集まれば、そこが食卓。

そんな発想でキッチンを考えていったっていいのです。

アウトドアでピザ釜などをつくるのも、キッチンづくりのひとつといえます。
キッチンのこと、考えるのに疲れたときは、一度ここに立ち戻りましょう。

イタリアで手袋を買った人の話を聞いたことがあります。
店主であるマダムはお客の手に滑り粉を振りかけ一本一本、
指先まで押し込んで、手のひらの表や裏を返して眺めてみて、
その手の個性にかなう一組を探すそうです。

キッチンも同じようなもので、家族のメンバーも食生活のスタイルも、
インテリアの好みも違います。
この世に誰にでも合う万能なもの、
完璧なものはありません。

探すのには時間がかかる。見つけるまで道のりがある。
けれどもあなたの思いと
探し当てたものとの個性がぴたりと合ったとき、
その場所はその人らしく輝き始める。
そんな現場を私は何度も目撃しています。

最大公約数にとらわれた量産品にがっかりしたとき、
この本を手に取って、
自分を信じた人たちに出会ってもらえればと思います。

もう一度、お伝えしますね。迷ったとき、答えが見つかるのは自分の中、なのです。

以上「人生を変えるインテリアキッチン」(小学館)より。
次回は[夢をかねえたインテリアキッチン〜15のストーリー] に続きます

取材・文=本間美紀 Miki HommaJournalist
早稲田大学第一文学部卒業後、インテリアの専門誌「室内」編集部に入社。独立後はインテリア視点からのキッチン、家具、住まい、家電、キッチンツールまで、デザインのある暮らしの取材を得意とし、建築家住宅の取材は300件以上、ユーザーとメーカー、両サイドからのインタビューを重視し、ドイツ、イタリア、北欧など海外取材も多く、セミナー活動も増えている。著書に「人生を変えるインテリアキッチン」(小学館)、「デザインキッチンの新しい選び方」(学芸出版社)「リアルキッチン&インテリア」(小学館)

[写真=金子美由紀 スタイリング=黒田美津子](REALKITCHEN&INTERIORseason8より)
[登場のキッチン=amstyle東京

単行本『人生を変えるINTERIOR KITCHEN』(小学館)

定価本体1600円+税 B5判/144ページ
著/本間美紀

ためし読みはこちら
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「REALKITCHEN&INTERIOR」
キッチン&インテリアのジャーナリスト本間美紀が監修、編集執筆するテーマムック。年に1冊のペースで2019年までにSeason8を刊行。憧れキッチンはインテリアから考える─をテーマに、これまでの日本のキッチンの常識を変える考え方やキッチン実例を紹介しています。

※掲載写真の一部はウェブ用に再セレクトし、理解しやすさを優先して編集しています。実際の単行本とは違う場合があります。ご了解ください。

「人生を変えるINTERIOR KITCHEN」
定価:本体1600円+税
発売日:2019/6/27
判型/頁:B5判/144頁
ISBN :9784093108942
発行:小学館

〈 編集者からのおすすめ情報 〉

「キッチンというと食や料理が好きな人がこだわるもので、自分には縁がない」──そう思う人にこそ、ぜひ読んでいただきたい1冊です。
今やキッチンは家の中心。収納や機能だけではなく、居心地の良さやほんとうの自分らしさが求められる空間に変わりつつあるのです。

従来の実用一辺倒のキッチンではなく、イタリアやドイツ、そして北欧のライフスタイルから生まれた海外インテリアキッチン、
そしてオーナーの希望をもとにゼロからつくりあげるオーダーキッチンを数多く紹介してきました。

そんなムック「リアルキッチン&インテリア」6年分の取材を厳選してまとめた本書は、
豊富なインテリアキッチンの実例だけでなく、図面やキッチンスペックの情報も充実しています。
あなたの夢がきっと見つかるはずです!
(小学館 宮澤明洋)

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