伝説のデザインバスがパワーアップ

●日本初のバスタブデザイナーとして

清水秀男さんは世界でも珍しいバスタブデザイナーとして挑戦を続けています。

40年前にジャクソンブランドを立ち上げた清水さんは「ブランドや製品のイメージを貫き通すには、やはり現場で自分の目と手で確かめ、関わる人すべてと一緒に哲学を育てていかなければいけない」と今、再び総指揮を執る理由を話します。

「40年前から日本古来の風呂文化を背景にデザイン性と入り心地に優れたバスタブをインテリアとして発信、住空間におけるバスルームの進化に寄与してきました。バスタブ製造会社としても 5ｍを超える世界最大の一体成型スパの開発や当時日本初であった真空成型アクリルバスの製造を開始するなど、デザイン・型作りから一貫生産体制をとってきました」（プレスリリースより）

ショールームでは過去に描いたいくつもの手書きのスケッチを見せてもらいました。バスタブの周りで人がどう過ごしているか。そんな楽しそうなスケッチからは、空間の文脈を捉えた上で、バスタブを創造しているのだと伝わってきました。

清水さんは高級ラインの「HIDEO（ハイデオ）」も立ち上げ、そちらはよりラグジュアリーなファニチャーバスを展開しています。ジャクソンのショールームとは隣り合っており、双方を行き来しながら、バスルームの世界を楽しむことができます。ハイデオは2022年にイタリア・ミラノでもショールームをオープンし、世界市場をねらっていきます。

柔らかな光を放つ内照グラフィックパネルをアクセントとする、ペールグレーのニュートラルなトーンの空間では、５つにゾーニングされたバスタブを巡りながら、美しく心豊かなライフスタイルのためのラグジュアリーブランド、「フィラメントミラノ」のデザイン照明、ガラス収納「ジジ」、イタリアの高級モダン水栓「ジェッシィ」をパートナーブランドとして、展示されています。

ゆったりと大きな空間。ジャクソンとハイデオの展開する世界観を、赤坂見附という一等地で体験してみてください。

取材・文＝本間美紀